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トランボ ハリウッドに最も嫌われた男 [ヒューマンドラマ]

★満足度95点

トランボ ハリウッドに最も嫌われた男 [Blu-ray]

トランボ ハリウッドに最も嫌われた男 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2017/05/10
  • メディア: Blu-ray
■“国家の危機”は思想弾圧のいい口実

「国家の危機」は、思想の強要、言論弾圧にもってこいの理由付けであり、容易に新たな独裁国家になりうる。 共産主義を誹謗しながら、その実米国自信も共産主義と何ら変わらない。
「ハリウッド・テン」と赤狩りは有名な話だが、この映画でトランポをとりまく状況は、私が想像していたのを通り越しもっと酷かった。いわば思想弾圧と集団リンチに近い。
トランポたちの活動にはあまり触れられていないが、彼らは一体なにをしたのだろうか。幕末の倒幕派と佐幕派との違いのように、よりよい国のあり方へのプロセスが違うだけでは。
スノーデンのように軍事機密にアクセスできる者が情報漏洩したのとは訳が違う。
例えば国が恐れたシナリオのようにトランポが脚本に共産主義を練り込んだとして、それに観客が感化されようとしまいと、それ自体ははっきりいって個人の自由である。
国が不安の種を植え付ければ、集団ヒステリーは容易に起こりえる。
アジアンヘイト、ノーマスク狩り、ワクチンパスによる実質的な人種差別、今回のコロナ騒ぎにも状況が重なる。 ―誰が感染し、誰がウイルスを持ち込み、誰がマスクをつけていなかった、などなど―

本来はマスクをつけようとつけなかろうと発症しなければ健康体とみなされるであろうはずなのに、誰もが無症状感染者とされ、疑心暗鬼になり「何も解決せず、互いを傷つけただけ」だった。
思想とウイルスは違うと人は言うかもしれない。
でも、思想がウイルスのように浸食するという考えのもとに、国民の自由を侵害できる法律を制定しようとした部分では同じことだと思う。
ハリウッド・テンは、政府が国民に対して恣意的に恐怖を煽り都合の良い政策を強行する、いい実例だと思った。

ジョン・ウェインは銀幕そのまま、ステレオタイプの愛国心を振りかざした赤狩り派だったが、FBIのやり方に真っ向から抗議したハンフリー・ボガートの男っぷりに痺れた。このとき俳優組合のリーダーだったロナルド・レーガンは、この時赤狩りを先導したことが大統領への足掛かりになったのだろうか。
そしてこの映画は名台詞の宝庫。名脚本家トランボの映画に値する脚本だった。

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