ロッキー ザ・ファイナル [スポーツ]
★満足度90点
wowowのロッキー一挙放送を見て、久々に胸が熱くなった
これほど丹念に一人の男の人生を描いたシリーズはないと思う。
ファイナルを見終わった後は本当に寂しくてしょうがなかった。ロッキーが自分の人生から去ってしまったような気がして…シリーズ完結作としてすばらしい作品。スタローンの監督としての手腕も大・評価です。
最初は17年ぶりの完結作なんて無理があるのでは、と思ったけれど、現実にも50代のボクサーがいてチャンプに返り咲いたという実話もあるし、何より話の展開にまったく無理がなかった。
エイドリアンを亡くして、息子も自分と距離を置いてしまい、生きがいを無くしたロッキーが再びライセンスをとって生きる目標を立てようとする。エイドリアンの墓の前に座るロッキーの横顔が心に沁みます
ポーリーが「過去のことは忘れたい」といったのは、5作目での破産を導いたことを思い出すからでしょうか。
今回ロッキーが闘ったのは、エイドリアンのためでも生活のためでも栄光のためでもプライドのためでもなく、最初で最後の自分の我侭だったのかもしれない。
スタローンの筋肉が、使い込まれた鉄のように硬そうで、ロッキーの人生の侘び寂びと重なって、なんともいえない感動を誘う。
第1作にかるーく登場していた、近所の少女・マリーが成長して地元のパブに働いていたり、シリーズ最初のファイトシーンで戦う相手・スパイダーがレストランの常連になっていたり、旧登場人物が多々登場するのが時の流れを感じさせて、懐かしく嬉しい。残念なことに神父さんが出てこなかったけれど…。ロッキーは元来おせっかいで寂しがり屋だということも思い出された。
小市民なんですよね、ロッキーって・・・いつも生活に必死というか、偉大なのに儚くて小さい人生を送ってる彼を応援て共感してしまう。…ポーリーが足を引張ってる部分はかなり大きいけどw
「同じ場所に長くいると、その場所が自分自身になる」
フィラデルフィアからロッキーの面影がなくなることはないでしょう
最後の花道から帰るとき、歓喜する観客のなかにうつむいた男がいたが、ドラゴにそっくりだった。
ドルフ・ラングレンではないかもしれないが、あまりに不自然にうつむいた観客はドラゴそっくりの髪型と面立ちで、胸にソ連時代のようなバッヂをつけていた。一瞬しか写らなかったとはいえ、ドラゴだと信じたい。
こういう細かな演出にも、ロッキーの駆け抜けた人生の重みが感じられる。
久々に観たら、エイドリアンってこんな内気でださかったっけ、と驚いた。ボクシング映画というより、ロッキーという冴えない男が恋を成就させて幸せを掴むまでを描いたサクセスストーリーという趣。エイドリアンに口付けをするシーンは恋愛映画という観点から見てもときめきます。簡単に勝負に勝たないのもいい
エイドリアンと結婚して、ギャラをもらって引退して第二の人生を歩もうとしたが転職に失敗し、エイドリアンが妊婦なのに働くことになってしまう。元スポーツ選手としての苦労をよく描いた作品。生活のためとはいえ、アポロと再戦し、今度はきちんと勝利してボクサーとしての栄光を掴む。
ロッキーが豪邸に住まい、順風満帆な生活をしていたのはこの作品だけ。鋭気ビンビンの若手がロッキーに挑み、敗れて再びタイトルを奪還するまでを描くが、名トレーナーのミッキーが死んでアポロがセコンドについたりとドラマとしては一番涙を誘う展開
私は、シリーズとしては一番の大作だとは思いますが、敵のドラゴの関係性がスッパリしすぎていて一番異色だと思うんですよね。ロッキーは登場人物が相互関係してチョコチョコ出てくるのが面白いから。まあソ連の敵方の話だし、インパクトがありすぎて使いようはないですけれど。日本人は一番馴染みがある作品ですよね、あの自然の中でのトレーニングが印象的。アポロのトレーナーがロッキーにつくのも【炎の友情】のタイトルに含ませてあげたい。
実はファイナルに登場する元・不良少女マリーがここでも登場しています。女優は1作目のマリー役の女の子。きちんとエンドロールにクレジットされています。残念ながらどのシーンかはわかりませんが、おそらく息子とロッキーとポーリーが、学校へ送る途中にすれ違う2人組の女の子だと思われます
すこぶる評判が悪い5作目ですが、流れ的にはそれほど違和感もなくつまらなくも感じませんでした。世論的にはリングに上がらないロッキーがいただけなかったのでしょうか。確かにポーリーはロッキーを破産に追い込むし、目をかけたトム・ガンは裏切るしでちょっとムカムカする1作だとは思います。ちょっと地味な家族ドラマがうけなかったのでしょうか。スタローンの息子はそれなりにいい演技しています。
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