ガザ 素顔の日常 [ドキュメンタリー]
■今こそ見るべき作品。そこに住む人たちは自分たちと何ら変わらないという、当たり前のことをきちんと実感する
中野のシェアカフェ、una_camera_livera さんで、ウナカメ夜シネマに参加。
今回は2019年の映画「ガザ 素顔の日常」。
アメリカ大本営の映像や発表に追従しているばかりの日本では、過激派アラブ人のイメージばかり先行してる感がありますが、パレスチナ人の家族思いで社交的で情熱的な一面が知ることのできる一作です。戦争がなければ、どこよりも穏やかで親切で礼節を持ちあわせる民族なのかも知れません。検問所が閉じられているため、南北40キロ東西10キロのガザ以外にどこにも行けないガザ市民。
見ながら様々な疑問が渦巻きます。
・ホロコーストを経験したユダヤ人だちが、同じことをアラブ人にしていることに対して、何も感じないのか。 ・イスラエルはガザ市民を根絶やしにするまで攻撃をやめないのか。
・パレスチナ政府はガザ市民が逃げ出すとイスラエルに占領されてしまうから他のパレスチナ地域に移動させないのか?それともできないのか?
・ガザのパレスチナ人は自由になったとしてその先ユダヤ人とはどういう関係を築きたいのか… 様々な疑問が渦巻いたまま、ドキュメンタリーでは不安の裏返しから少しでも明るく生きようとする人々と、行き場のない怒りから攻撃に転じ負傷する若者たちの姿も描き、そこには何の解も見いだせません。
ただ、平和に日常を過ごしたいだけなんだ、という切々とした彼らの訴えが頭にこだまします。十字軍の時代から、一方的な西洋の聖地奪還という大義名分で戦禍の地になったパレスチナ地域。ww1のイギリスの三枚舌により、イスラエル建国で勝手に割譲されたパレスチナ。ただそこに生きている人々の声など全く反映されない、政治のパワーゲームで苦しむのはいつも民間人です。
〈料理〉
ちなみに中東料理の提供は、ハラフェル(ひよこ豆ベースのハンバーグ、ラぺ(人参とレーズンの酢漬け?)、フムス(ひよこ豆のペースト)、ババカヌーシユ(茄子のペースト)でした。
東京クリスマスマーケット2023in明治神宮外苑 [■お出かけ・雑記]
12月初旬に、誕生日の近い友達とクリスマスマーケットに行ってきました。
平日だったにもかかわらず、けっこうな入場者だったように思います。
16:30入場、この時点で食事30分待ちの店もチラホラ。20:00ごろになると人も減り、買いやすくなりました。
早めに入って寒くなって帰る人が多いのですかね。
★マグカップについて
・予約すれば、入場料だけでオリジナルマグカップもついてきます。
・予約しないと、入場料を支払い、オリジナルマグカップが欲しければ別途購入しなければなりません。
この点を前日まで理解していなかった私(笑)
★ビール購入について
・ビールはグラスで飲みたければデポジット代を払って飲みます。グラスを返すときにデポジット代は返金されます。購入したお店を忘れないように注意!
・グラスで飲まなければ紙コップなど簡易的な物に注がれます。寒いのでこぼすと悲惨です。
たくさんのSHOPが立ち並び、クリスマスグッズは見ているだけでも心浮き立つものでした。
各お店の屋根のオブジェも一つ一つ凝っていて可愛い。私は「ドイツセンター」でシュトーレンを購入。友人はロシアのマトリョーシカを購入してました。ちなみに過去数年のクリスマスマーケットのマグカップを販売している店があったのですが、個人的には今年のデザインが一番かわいいと思いました。
今回は野球場で開催だったので、芝生と土の上に敷かれたマットがぼこぼこして暗がりだとちょっと歩きづらかったかも。登場した外国人のバンドが、アバやqueenなどの洋楽ヒット曲を演奏してくれたので、個人的には大盛り上がり、久々に踊ってしまいました。
★食事の感想
なぜか混雑している店としていない店に偏りがあったのですが、どこも似たりよったりなので、空いている店でささっと買うのがいいと思います。どの店も購入した人たちのお皿を見ると食べ物は写真とあからさまに違う量で少ない。ちなみに肉系よりポテトのほうが写真に近い量と感じました。
飲み物は、写真と同じように飲み物を再現する店としない店が混在していたと思います。
私たちが買った店では楽しみにしていたグリューワインにレモンとシナモンが挿入されておらず、ちょっとがっかり(こういう細かい演出品って削ってはだめだと思うのですよね)。
★注意したい点
・終業30分前くらいから店が片付け始め、あやうくグラス返却ができないところだった。デポジットの代金を返却してもらわなくてはいけいないのだから、きっちり閉店時間まで空けておき、片付けはそれからにしてもらいたいです。
・夜は霜が降りて、テーブルやいすが濡れていることがありました。次行くことがあれば予備のハンカチやぞうきんを持ってこようかと思います。
パインアメのようなリース
ヒット曲演奏で大盛り上がり
ワンダー 君は太陽 [ヒューマンドラマ]
バーチュオシティ/のちに大物俳優になる2人が登場 [SF]
■着眼点はいいがB級
同年代の作品と比べても安っぽいがアイデアはいい。1995年の作品。4年後(1999)のマトリックスと比べるのは酷だが、同年代のアポロ13、ガタカ(1997)などと比べると、B級っぽさが目立つ。
格調高いSFとは趣が異なる内容だとは思うが、それにしてもディスコ調の音楽やスーツ姿などを用いて、あえて「ダサく」見せている感じも否めない。
デンゼル・ワシントンとラッセル・クロウ(認知度が一気に上がった【L.A.コンフィデンシャル】はこの2年後だが)という2大スターの共演ながら、彼らの持ち味や凄みが消されてしまっており勿体ない。
ラッセル・クロウ演じるヒールも、アメコミの「ジョーカー」の二番煎じのよう。
歴史上の様々な悪人をシュミレーションさせて出来上がった人格、ナノマシンによる外殻形成など、アイデアはとても独創的だと思うのに、生かし切れておらず、ただのド派手なアクション映画に成り下がってしまった。
この作品こそリメイクしてほしい。
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わたしは、ダニエル・ブレイク [ヒューマンドラマ]
失業保険をもらいたい、ただそれだけの当然の権利を受けたいだけなのに、制度の壁に阻まれる初老の男。
コールセンターのたらい回し、福祉施設での施し、表面上の就職活動など数々の屈辱にあい、彼の心は削られていく。
これは民主主義政策をとる肥大化した先進国において、共通の問題なのではないか。
大きな政府は求めていない。小さな政府でも福祉だけはきちんとできるはず。それだけの対価は、税として納めているのだから。税金は個々人の人生の時間の集約であって、ただの数字じゃない。
「俺には名前がある!と叫ぶダニエルに共感100%。政府という大きな存在は、中身は同じ人間が集う集合体のはず。人民の生活を円滑に進めるための存在であるはずなのに、援助にかかる費用を削減しようと、複雑な制度を用い人を拒む。ダニエルとシングルマザーとの交流が泣ける。
ザ・クリエイター/AIが人間に近づけるかというテーマの限界 [SF]
満足度★70点
■雰囲気はかうが設定が粗い
●AIは人間に近づけるかというテーマは、個人的にはもう答えが出ている
大好きな作品「ローグ・ワン」の、ギャレス・エドワーズ監督の新作。
一瞬死ぬ前の脳の記憶をスキャンする機械や、地表をスキャンして攻撃する「ノマド」のデザイン、オリジナルから記憶を移したマヤの躯体とジョシュアの邂逅と死、
ローグ・ワンの展開を彷彿とさせるが、音楽やビジュアルが醸し出す崇高さは壮大なギリシャ神話を見てるようでもあり、上質なSF作品の一つであるとは思う。
だが、いろいろと話が雑な箇所が見受けられる。
そもそもアルフィーは「自力で成長するAI」なのだろうか。
マヤは出産前からAIを作っていた。ということは、ノマド攻撃の際に命を落としてしまった二人の子供を形見として作ったわけではない。
ここで「成長するAI」だという仮説を立てて疑問を書く。
・子供のAIは成長するとしたら中の骨格の金属は誰が作り直すのか?
・有機物の摂取は必要なのか?
あらゆる生物は人間も含めて、体内に様々な生き物が棲んでおり、それにより一つの肉体として存在可能となっている。無機物のロボットが、それが可能だとは思わない。骨格がめきめきと分裂と再生を繰り返すことはありえないと思うので、「成長するAI」説は荒唐無稽に感じる。
「成長するわけではない5歳児程度の子供のAI」だという仮説を立てて疑問を書く。
・あの年齢の外見にしたのはなぜか(マヤとジョシュアが再会する年月という説もあるが、再会する月日は、マヤが知る由もない)。
・完成されたプログラムをインストールされている他の大人のAIと違い、自力で学習するAIなのか。
●この世界に対しての疑問
・大人の人間型AI、摂取した栄養はどこにいくのか。
・アルフィーを直しにいったヒマラヤのような寺院(ネパールのルクラっぽい)で、いつの間にか直っていたアルフィー。だれがいつ直したのか。
・ニューアジアの政府は一体なにをしているのか?
AIを持て余してお馴染みの自作自演を繰り広げて他国を攻撃する口実にするのはいかにもアメリカらしいが、対する「ニューアジア」の、政府らしき機関が全く登場しないことに違和感。なぜアジア側がゲリラ戦ばかりなのだろう。
AIものに新機軸を見いだせたか?というと、科学技術と設定が曖昧ゆえに、曖昧な感想しか持てなかった。ただ、アルフィーの子役の演技には心を揺さぶられた。
まじめな話、あまたのSF作品は脳だけが人間たらんとしすぎている気がする。
鳥の脳を、羽毛もくちばしもない無機質ボディに移し替えたとして、それは果たして鳥といえるのか?というように、私たち人間も体あってこその人間だと思う。
人間は体内の様々な生物と共生している。反射という現象は、筋肉や様々な部位が脳を無視して命令する。それを無くして脳だけで人間とは呼べないはず。
AIがいくら高度な計算能力や記憶力を持っていても、それは人らしき存在であってヒューマンではない。また、痛みや死への恐怖があってこそ生物といえるのでは…と。
なので、ロボットが壊れて泣いていた人間の描写にも違和感。頭脳を司る部位が無事なら、いくらでも身体を再構築できるだろう。
その辺は私の愛するSTARWARSの世界観が一番しっくりくるのだ。
無理してビジュアルを人間に寄せようとしていない。AIという言葉は存在したなかっただけだろうが、あくまでメカやロボットの延長という感覚でドロイドが活躍している。職業ドロイドがほとんどで得意分野に特化した様々な特技があり、
ドロイドはパブではオイルを挿し、プログラムされていない言語は話せないとのたまう。
高度なプログラムにより、人間とも軽口をたたき合う会話ができるドロイドもいるし、ドロイド語しか話せないポンコツ風のドロイドもいる。そこに友情めいたものをはぐくむこともあるし、犬と人間の様にバディとなるドロイドもいる。壊されてもメモリーさえあれば直るので、数年後に稼働するドロイドもいる。そこに「死」という悲壮感はない。やはりあくまで「メカ」なのである。
そのメカが人間と共闘し、種同士の戦いではなく、理想の体制というものを実現するために共存していいる。それでいいじゃないかと思う。私の中でロボットと人間の完璧な関係性はスターウォーズで終了している。SW賛美のようになってしまったが、人間に近づくAIの脅威というアイデアに半ば食傷気味なので、もうそこのジレンマにとらわれないAIものを作ってもいいのではないだろうか。
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ウェス・アンダーソンすぎる風景展 [■ART]
映画の映像をすべて「真正面」に、人物が絵画のように定位置に「固定」された画を撮り続ける稀有な映画監督、ウェス・アンダーソン。
…「これ、ウェスっぽい!」という風景を、ファンたちが「#AWA」(アクシデンタリーウェスアンダーソン)のハッシュタグをつけて投稿した写真の展覧会。
真正面でぽつんと。カラフルで温かみのある色、そして「空」が肝。
ホテルも入り口ではなく、最上階と空を撮っている。そこに物語性というか、小説の行間のような「間(ま)」を感じる。
これはかなりの発見。絵本のようでもあり、異次元の入り口のようでもあり。シュールなダリの絵画のようでもあり。写真の可能性を感じます。
建物の歴史的背景も書いてありますが、写真を見せたいので解説版は小さめ。
それをとことん読み込みたい人は、展覧会費用をケチって、最初から図録を購入するのも手だと思う(笑)。
とにかく、旅に行きたくなること請け合い。
日本は看板や、立ち入り禁止などのコーンとか、のぼりなど余計な物を置きすぎなのだと気が付く。
店もポスターや余計な物をべたべたと張りすぎ。一番末尾の、郵便局の潔さを見よ!
なんと上は北朝鮮。
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「ドミノ」~ロドリゲス節が光るサスペンス [SF]
満足度★68点
■そっち系か~…
ぶっちゃけ、ダイアナと出会ってからの展開で「あ、そっち系?」と肩透かしをくらったのが印象。
予告のみ拝見、監督のインタビューは読んだものの、あまり前情報は仕入れず。
冒頭5秒で騙されているというキャッチコピー、予告編で「脳をハッキング」うんたら流れてたので、「ネタバレじゃーん、AI使った新たな犯罪もの?ロドリゲス監督も騙し騙されの上質なサスペンス作るんか」と勝手に思っていたら、さにあらず。
あれれ、超○力系でした。でも原題は「ヒプノティック=催眠」とそのまんま…なので、制作陣は隠しているつもりはなかったんだな。邦題を「ドミノ」にされたことで日本人はまんまと騙されたのかも。
「インセプション」のウィリアム・フィクトナーが出演していることから、ちょっと同等のクオリティを無意識に求めてしまったのかもしれない。
WW2時代の超人化計画よろしく、人体実験系の割とありふれた話ではあるが、手品師などは話術や身振りや声のトーンなどで人の意識を任意でそらすことができるので、人間の隠された能力として強化できそうではある。キリスト、ブッダなど伝説の指導者は、人を虜にし、催眠状態にさせる話術やオーラが備わっていたかもしれない。いやきっと、稀代の伝説的存在はそういうカリスマ性を持っていたのだろう。
話は戻るが、不必要なグロ、サイコ的なシャワーシーンなど、「プラネット・テラー in グラインドハウス」や「シン・シティ」を監督したロドリゲスがやりそうな味付けが、ちょこちょこと顔を出す。
サイコホラーやゾンビものが好きそうな演出にちょっとニヤリ。ちなみにシン・シティは共作で原作ありだけど隠れた名作だと思う。
話の展開は確かに騙し騙されではあるものの、ちょっとなんでもあり的な雰囲気になってきて、「組織」という便利で漠然としたものが登場すると風呂敷を広げ過ぎた感もある。
まあ娘につながる貸金庫の暗号は、よくあるアナグラムだろうなと思ったらやっぱり。
デルレーンはダニーの養父母のことにすぐ察しがつかないか?と思ったりもする。
自由、全体主義への警告・・・と深掘りするほどの仰々しさはない。あくまで、ある家族の戦いの話。
どことなくB級感が漂う作品なのでありました。
続編も作れそうね。
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