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あかね空 [時代劇]

★満足度85点

■豆腐がつなぐ勧善庶民の人情劇

あかね空 特別版 (初回限定生産)

あかね空 特別版 (初回限定生産)

  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • メディア: DVD


浮世絵から江戸の町にスムースする冒頭の美しさからやられました。


京都からでて来た豆腐屋「永吉」と、息子と橋の上ではぐれた豆腐屋「清兵衛」と、おそらくはその生き別れた倅「傳蔵」が織り成す人情劇。

豆腐屋ってのがまたいいねぇ。
絹漉しが口に合わない江戸っ子たちの困惑した表情もおかしい[わーい(嬉しい顔)]。江戸は木綿なんだよね。味のわかるのは職人や上流階級の人達だけ。

それを見守る後に妻になる「おふみ」と、清兵衛の女房のまなざしも暖かく、江戸っ子の信心深さが嫌味もなくすっと胸に沁みる。

最初は永吉がはぐれた息子かと思いきや・・・ってのもまたいい。

傳蔵は後に永吉の家族の危機を助けることになるが、動機ははっきり描かれていない。
でもそれがまた粋じゃありませんか[ぴかぴか(新しい)]

とうの昔に出自はわかっていたが、もうその頃には漠連に足を突っ込んでいたのかもしれないし、豆腐屋の看板をみて、「ああここだ」と思い出だしたのかもしれない。
はたまた豆腐屋の倅だった自分に重ねて、永吉の家族に肩入れしただけかもしれない。
心情を計るとなんとも奥ゆかしいじゃありませんか[もうやだ~(悲しい顔)]
永代橋の上で見た掌には、豆腐を掬った思い出か、おとうの手を離してしまった過去を思い出したのか。それは彼らの胸の内、とやかくいうのは野暮ってもので――

だけどね、元は豆腐を丹精込めて作っている永吉の職人魂ありきなんだよね。そこが人の胸をつき、動かしていく。清兵衛もしかり、豆腐に人生を捧げた男達の話でもあるんだよねぇ。

丹念に描かれた家族愛と豆腐作りへの愛情。この2つを肴にしっぽりといい酒を飲みたくなる、そんな映画です[ビール]


俳優メモ>>内野聖陽/中村梅雀

一人二役を演じる内野聖陽、去年の大河「風林火山」の主役でハートを射抜かれた人も多いはず。そのときの叔父役の石橋蓮司と今回も浅からぬ縁(エニシ)をもつ間柄を演じてます。
内野さんは渋目の演技が効いてます。これからもっと注目されて行くでしょう。

あと、あくどい人間を演じた中村梅雀。この人最近【篤姫】で、井伊直弼を演じましたね。小心者の小物から、腹の座った大物まで、本当に上手い。最近は『信濃のコロンボ事件ファイル』シリーズの主演ですね。この人の歌舞伎観たいなぁ[ハートたち(複数ハート)]


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