ワンダー 君は太陽 [ヒューマンドラマ]
遺伝子異常により見た目が通常ではないオギー。
毎回初対面の人が示す驚きと憐みの表情に、オギーの心が傷ついていくことは想像に難くない。ヘルメットをはずして学校に行くことがどれだけ勇気のいることなのか、彼が想像の中でヒーローになったり、チューバッカを登場させたりと心を奮い立たせていく姿には自然と涙がにじみ、応援したくなった。いつしか彼の知識やユーモアに気が付いたクラスメイトの一人が親友になり、一人また一人と自然な関係性になっていく。
そう、言い方は悪いが、顔なんて見慣れてしまえば、どうということはなくなっていくのだ。
もうひとつ本作が秀でているのは、登場人物それぞれに苦悩があることを描いた点。弟に愛情のすべてを持っていかれたような寂しさを抱える姉のヴィア、オギーにとって平凡な存在だと悩む父、自分の夢を手放した母、それぞれに葛藤がある。そこが深い。
障害を抱える家族と抱えない家族には、人として同じような普遍的な悩みがある。
その中で第三者が「可哀想」一辺倒に偏見を持たず、「普通」に接するにはどうしたらいいのかという、客観的な見方も変わる一作。
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