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劇団壱劇屋「五彩の神楽」10月公演「心踏音」@池袋シアターグリーン [■音楽・演劇]

●https://ichigekiyaoffice.wixsite.com/gosainokagura

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▼2022.10.19初演

知り合いが所属している劇団の舞台を見に行きました。
「五彩の神楽」というシリーズの中の一つで、10月は『心踏音』(しんとうおん)という演目。
台詞はなく、殺陣がメインの芝居です。

戦乱の世の中、目の見えない男と耳の聞こえない女の心の通い合いと、悲劇を描きます。
女は、試行錯誤の末、靴の音の振動で男性とコミュニケーションをとります。
元々再演目の芝居ですが、女役の方がタップダンサーなので、その場面はただのダンスではなくタップダンスで行われていました。

役者すべてにセリフが無いので、本来なら目の見えない男には声をかける演出があればいいのですが、台詞が無いのでパントマイムで場面が展開されていきます。
かなり演出・表現が難しいと思うのですが、こちらもすんなり想像力を働かせることができるよう、すごく練られていたと思います。
映画『テネット』を彷彿とさせる逆再生の場面は、今回の再演で新たに追加された演出だそうです。
この逆再生の演出が話しの核心に触れることになり、驚きの真実にたどり着きます。

人が人の心を救うために、何を犠牲にするのか・・・、各登場人物の愛と友情の一つの在り方は、かなりかなり心を揺り動かすものでした。
8月からの連続公演で、五つのエピソードが12月に収斂します。小劇団だと思いますがもっと脚光を浴びてもいいのではないだろうか。おすすめです。

▼下は上演後のお楽しみ「ワンシーン再現撮影会」
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劇団唐組「秘密の花園」 [■音楽・演劇]

満足度★70点

●https://karagumi.or.jp/information/1058/
●猿楽通り沿い特設紅テント


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作=唐十郎
演出=久保井研+唐十郎
劇団唐組のお芝居を 友達に誘われて鑑賞。
アングラ劇場は久々、唐組は初めてです。
現実と虚構と妄想の狭間に入り込みました。
坂の上には何があるのか…、女は姉なのか…、姉に似ているから女に惚れたのか…。
二人は禁断の一線を越えたのか…。それともすべて、深い恋慕からの男の空想なのか…。
実は、男はベッドの上で植物状態なのか…。これは『ドグラ・マグラ』のような話なのか…?

うーん、難解。解を求めてはいないけれど、深く考察したい。
でも考察する手前で思考が堰き止められてしまったような気持ち。
(でも面白くなかったわけではない)
これはあまりにベースとなる背景を知らなすぎたからだと思い、台本の基となっている泉鏡花「龍潭譚」を青空文庫で読んでみました。
が、自分の読解力に不安を覚え、現代語訳も確認。
毒虫に刺された少年が山に迷い込み、美しい女に出会う。
という、主人公の行動は1行で説明できちゃうのですが、自分の劣等感や姉への恋慕や、見知った町が急に知らない土地と感じる疎外感など、幻想的で現実と幻の区別がつかない世界観が反映されているのだなと思いました。
きっとそこには少年の性への目覚めが含まれており、なんともしがたいその衝動を持て余している少年を受け止めるのが竜神の化身(なのかもしれない)という、少しおとぎ話のような雰囲気が漂っていました。話を包み込む、いかにも日本らしい靄に包まれた、山の美しい情景が目の前に広がります。
https://ncode.syosetu.com/n4835es/
※ちなみに明治大学キャンパスの敷地内でしたが、軽音部の練習の音が聞こえてきて、ちょっと煩わしかったです。鬼子母神のテントの方が趣があったんだろうなぁ。
 

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■avocafe

鑑賞前にアボカド料理専門店に行きました。スムージーとアボカド抹茶プリン。
プリンは抹茶とアボカドの苦みと青臭さがほんのり効きつつ、甘くて滑らかで濃密な味。
スムージーは野菜やフルーツとのミックス、甘いのに爽やかなのど越し。二つともけっこうお腹に溜まりました。

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「リポビタンDチャレンジカップ2022」10月29日(土)ニュージーランド代表戦 日本代表 [スポーツ]

■試合:「リポビタンDチャレンジカップ2022」
■対戦: 日本代表 対 ニュージーランド代表
■日程:2022年10月29日(土) 14:50キックオフ
■会場:国立競技場(東京)

10月下旬とは思えない暖かさで、というかむしろ暑い!日でした。
6万人超えの観客の熱気に、久々に鳥肌。 
道中も、JR信濃大町では特設ラグビーグッズが販売していたり、出店も多くて賑わってました。
会場ではJスポーツの番組「らぐびーわんだほー」の名物司会者「あんちゃん」を見かけたり、席の近くではオールブラックスの他のメンバーも見かけたり。その中になんとマッケンジーの姿も♪

試合は残念ながら負けたけど(勝ったら大ごとですが)、果敢に攻めたJapanに惜しみない拍手。
しかし会場をぐるっと一周しているときにメンバーにスタオベをしていたら目の前のおっちゃんが「座れよ!」と怒鳴っていたけど何故に???? 選手にスタオベしてるんだから水を差すなよ!と、思わずうるせえな!と言っちゃいましたよ。変なの…。コビット19騒動で価値観変わっちゃったのかしら…?
選手の方もきっと、「自分らが不甲斐ないから拍手が少ないのかな」なんて思ったかもね。
もちろん、試合内容に不満だった人はそれでいい。皆が同じ熱量で声援を送れともおもわない。ただ、拍手を送ってる人に文句言うのはおかしいと思う。

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リトル・シングス [サイコスリラー・クライム・サスペンス・社会派]

満足度★75点

リトル・シングス(字幕版)

リトル・シングス(字幕版)

  • 出版社/メーカー:
  • 発売日: 2021/11/03
  • メディア: Prime Video
■真実と事実は似て非なる物

デンゼル・ワシントン、ジャレッド・レト、ラミ・マレックのオスカー俳優が揃い踏み。
しかし、日本では非公開。
確かに邦題もつけずらく、内容も華々しくうけるものではなく、すっきりするものではない。
だけど、セブンなど他にもたくさん救いのない映画が公開されてきたにも関わらず、緊張感のあるサスペンスでありながら、色々深く考えさせられて心にさざ波を起こすこの本作を未公開にするのは、ちと惜しいのではないか。

時代背景もやや古く(脚本の構想が数十年前だとか)、スマホなどは登場しない。
だからこそ成り立つ心理戦のおもしろさがある。

スパルマは真犯人なのかどうか、結局分からない。しかしディーコンの中では犯人だし、スパルマが殺されたことで連続殺人がやむのであれば、逆説的に彼が犯人だった可能性が濃厚になるので、彼もそれでいいと思っている。 強迫観念に苛まされてきたディーコンにとっては、この結末は一つの決着だし、スパルマとの会話や高速道路でのやりとり、自分だけしかしらない細かな「事象、事実」の積み重ねが、彼が犯人だと確信するに至っている。

たった一つの弾痕、たった一つの髪留め。ディーコンの台詞の対象とは違うが、「リトル シングス」が運命を左右するのだなと、深く感じ入った。

罪を犯した心はどのように救われるのか?

真実とは、本来は事実に依るものであるべきだとは思う。ただ、見たいものを見ることで救われる人生がある。 それが善いことであるかどうかは断ずることはできないが、ただ人が信じたいものを信じることで、前に進める生き物だということは事実。 三人の演技は目を離せないものがあり、見応えのある作品だった。

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NOPE ノープ [SF]

満足度★75点
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■SF、西部劇、都市伝説、エイリアン…ごった煮でも失われないジョーダン節


ジョーダン監督の過去二作に比べるとすこぅしまともな展開だとも感じるけど、物語の終着点がどうなるのかという予測が全くつかなかった点では。
ホラー、エイリアン、西部劇、オカルト…色々な要素をごった煮にしたけど、不穏な空気づくりは相変わらず!

OJや妹が、未知の存在と真っ向対決するわけではなく、UMA の存在を世に知らしめして有名になって一儲けし、牧場を建て直したいとう小市民なのが凄くいい。オプラをネタにするのもチンパンジーの実話と絡んでいるし、時代錯誤な牧場の雰囲気とは違い、妙に現実感があるんだよね。

そこに馬を生け贄にされた復讐も少し加味して。

監督は、過去作を見ても、生物を(人間を含めて)意のままにコントロールできる人間の驕りを、痛烈に批判しているように思う。
ジュープは惨劇を経験しても尚、そのときの栄光を忘れられず、また違う種との相互理解を夢見て、モンスターも飼い慣らせると驕ってしまった人間の象徴ともいえるのではないか。
しかし、今回は彼にも少し哀れみも感じた。

ショーに招待していた同じ番組の子役の女の子には淡い恋心を抱いていたんだろうし、ショーを見せることで自分の力を見てもらいたかったのかもしれない。

UFO自体が生き物で捕食者という発想は、ムー民としては目新しいものではないけど、円盤型にすることで容易く「中の人」を想像してしまう。かなり先入観を利用した騙しのテクニックが入っている。

まーでも今回一番怖かったのはやはり実話の事故を元にしたチンパンジーの描写で、何が元で狂暴化するかわからない動物の恐ろしさをまざまざと感じた。今回は風船が割れた音だけど、そういう瞬間て相手もパニックになり、歯止めが利かないんだろう。私も登山していて野生生物に遭遇したときに、刺激しないよう努めている。

目を見合わせないことがキーワードだったが、自然界では色々。猿は目を見あせてはいけない、熊は目を見たら逸らしてはいけない。
フラッシュに映る馬の目、マスコミのヘルメットに映るエイリアン(?)の目、車のサイドミラーに映るエイリアン、カメラのアングルが絶妙だった。
しかし単細胞よね?このエイリアン。

最後、見交わす兄妹の視線に痺れた。OJの最後の馬にまたがったシルエット、かっこよかったなぁ。
でも一番好きなのは死亡フラグたちまくりのホルスト。手回しのビデオを繰る様が無駄にかっこいい(笑)。
命を懸けたマニア魂を見せてもらった!
引用した聖書の通り、すべてが「見せ物」というキーワードでつながっている。

ちなみにオープンニングでキリンビールを飲んでいるらしいが、気がつかなかった。ジュープから盗んだ馬のオブジェもどことなく麒麟のポーズに似ていなくもない。

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それでも夜は明ける [ヒューマンドラマ]

満足度★85点

それでも夜は明ける [Blu-ray]

それでも夜は明ける [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: ギャガ
  • 発売日: 2016/02/02
  • メディア: Blu-ray

■目を覆いたくなる暴力と、奴隷が暴力に慣れてしまっている光景に衝撃

アメリカ史における黒人差別の凄惨さはうんと知ってきたつもりだが、自由黒人を誘拐して南部に売りさばくということが罷り通っていたことが衝撃だった。
しかし更に深く考えさせられたのは、ソロモンの死が場所も時間も死因も謎のままという、エンドロールの意味ありげな一文。
観客は目を覆いたくなる暴力の洪水に耐えきった後、映画が終わったとたん胸をなでおろし、災難は去ったと思ってしまう。しかしソロモンの戦いは生涯ずっと続いていて、彼の人生がやはり暴力的に終わらされてしまった可能性を示唆する一文で、自分の認識がいかに甘かったかを思い知るのだ。

描かれた差別的な白人たちは、ステレオタイプの者ばかりではない。農場主エップスは愛のない生活のうっ憤を奴隷女のパッツィーで晴らしている。彼女に執着しながらも蔑むという相反する複雑さを併せ持ち、そこには奴隷であるパッツィーを好む自分の心を許せないという葛藤も垣間見える。
奴隷たちは摘んだ綿の量が少なければ鞭うたれ、農場主の気まぐれな享楽的な夜のダンスに付き合わされ、肉体も精神も刷り減らす。パッツィーは更に夜の相手もしなければならず、肉体も魂も牢獄につながれている状態で、想像するだけで絶望しかない。


しかしその黒人たちも、その暴力に慣れてしまっている。私たちは虐げられた者たちは必ず一致団結して助け合っているという思い込みがある。しかし自分以外の奴隷がひどく扱われようと、仲間を助けたら自分が制裁を受ける恐怖から見て見ぬふりをしてしまう。
ソロモンが首を吊られている横で遊ぶ子供たち。
文化人の自負があり、他の黒人たちをどこか客観的にとらえていたソロモン。

白人たちは敬虔なクリスチャンを装いながら選民主義を標榜し、「黒人は人間ではないから神の教えに適わない」とのたまう。黒人は差別を受け続けて、差別されていることに倦んで麻痺し、未来も希望も見いだせない。そして、その奴隷たちの間にも格差がある。ブラッド・ピット演じるカナダ人の、「この国は病んでいる」という台詞がぴったりだと思った。
アメリカは、まだこの病気が癒えていないように見える。

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ハクソー・リッジ [戦争ドラマ・戦争アクション]

★満足度75点

「ハクソー・リッジ」スタンダードエディション [Blu-ray]

「ハクソー・リッジ」スタンダードエディション [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: バップ
  • 発売日: 2017/11/03
  • メディア: Blu-ray
■信仰が狂気に勝った瞬間

1945年3月26日から始まった沖縄戦は6月23日に終結。浦添城跡は戦争中、日本軍からは「前田高地」、米軍からは「ハクソーリッジ」と呼ばれた。
ドスが銃を持たない理由は信仰心よりも、父を苦しめた戦争の象徴そのものであることと、そんな父を更に打ちのめした自分の行為を畏れ、また、恥じたからでもあるのだろうと思う。
心を守るために信仰するのか・信仰が心を守るのか、どちらが先かはわからないけれど、それが戦場において彼がパニックにならず、やるべきことが明確になった大きな要因なのだろう。

自分だけ安全圏にいて戦場にいかないことは国民として公平ではない、しかし銃を持って人を殺すより、傷を負った者を助けたい。彼の中では矛盾せず愛国心と博愛心が同居している。
それは他人にはなかなか理解しがたく、敵を殺めることのできない臆病者だと勘違いされるが、そもそも銃も持たずに戦場にいること自体がとても勇気の要ることなのでは?と思う。

実際、戦場においては人を殺すより、人を助ける方がずっと難しいのではないだろうか。
ドスの祈りが皆に与えたものは、束の間の心の平穏。
それはまさしく、信仰が狂気に勝った瞬間でもある。
きっとドスの助けた日本兵は他の米軍人には見捨てられたのだと思うけど、彼の行いは決して無駄ではない。
その行為を見て、改心した人もいるだろうから。こういう信念のある人が生き延びてくれて、本当に救われた気持ちになった。

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トランボ ハリウッドに最も嫌われた男 [ヒューマンドラマ]

★満足度95点

トランボ ハリウッドに最も嫌われた男 [Blu-ray]

トランボ ハリウッドに最も嫌われた男 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
  • 発売日: 2017/05/10
  • メディア: Blu-ray
■“国家の危機”は思想弾圧のいい口実

「国家の危機」は、思想の強要、言論弾圧にもってこいの理由付けであり、容易に新たな独裁国家になりうる。 共産主義を誹謗しながら、その実米国自信も共産主義と何ら変わらない。
「ハリウッド・テン」と赤狩りは有名な話だが、この映画でトランポをとりまく状況は、私が想像していたのを通り越しもっと酷かった。いわば思想弾圧と集団リンチに近い。
トランポたちの活動にはあまり触れられていないが、彼らは一体なにをしたのだろうか。幕末の倒幕派と佐幕派との違いのように、よりよい国のあり方へのプロセスが違うだけでは。
スノーデンのように軍事機密にアクセスできる者が情報漏洩したのとは訳が違う。
例えば国が恐れたシナリオのようにトランポが脚本に共産主義を練り込んだとして、それに観客が感化されようとしまいと、それ自体ははっきりいって個人の自由である。
国が不安の種を植え付ければ、集団ヒステリーは容易に起こりえる。
アジアンヘイト、ノーマスク狩り、ワクチンパスによる実質的な人種差別、今回のコロナ騒ぎにも状況が重なる。 ―誰が感染し、誰がウイルスを持ち込み、誰がマスクをつけていなかった、などなど―

本来はマスクをつけようとつけなかろうと発症しなければ健康体とみなされるであろうはずなのに、誰もが無症状感染者とされ、疑心暗鬼になり「何も解決せず、互いを傷つけただけ」だった。
思想とウイルスは違うと人は言うかもしれない。
でも、思想がウイルスのように浸食するという考えのもとに、国民の自由を侵害できる法律を制定しようとした部分では同じことだと思う。
ハリウッド・テンは、政府が国民に対して恣意的に恐怖を煽り都合の良い政策を強行する、いい実例だと思った。

ジョン・ウェインは銀幕そのまま、ステレオタイプの愛国心を振りかざした赤狩り派だったが、FBIのやり方に真っ向から抗議したハンフリー・ボガートの男っぷりに痺れた。このとき俳優組合のリーダーだったロナルド・レーガンは、この時赤狩りを先導したことが大統領への足掛かりになったのだろうか。
そしてこの映画は名台詞の宝庫。名脚本家トランボの映画に値する脚本だった。

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