ジョン・ウィック コンセクエンス、最高の最終章 [アクション・アドベンチャー]
満足度★85点
■「最高の最終作」!
大好きなシリーズ、ジョン・ウィックの四作目、コンセクエンス。
9月に自身のバンド、ドッグスターを引き連れて来日していたキアヌ様
中だるみのしない趣向を凝らしたアクション、様式美と表現したいガン・フーとワンショット(風)のアクションの数々にめまいを起こしそうでした。
特にパリの凱旋門の周りのアクションは練りに練られた綿密さ。
この世界には警察はいないのかと思うぐらい、一切登場しないのも潔い(1作目には登場するので組織としては存在する)。
キャラも最高にいい。
今作は大阪コンチネンタル支配人に「シマヅ」に真田広之(ちなみに“コウジ“ってガラじゃないだろう…)、盲目の殺し屋「ケイン」にドニー・イェンと、アジア色濃厚。
仲間がいるんだかいないんだかわからないけど、相変わらず神出鬼没のモーフィアス…じゃなかった「キング」、顔の見えないディスクジョッキー(台詞の“赤く塗れ”のBGMはペイントイットブラックだったが)。最後まで名無しだったが最後は犬友となった「ミスターノーバディ」。彼の本名は謎に包まれたままで終わったことが、安っぽくなくて良かったと思う。
60歳のドニーは加齢を感じさせないさすがの体裁き。盲目のキャラはローグワンのチアルートを髣髴とさせるけど、コミカルかつ、キレッキレ。銃弾の嵐の中でも、弾が当たらないけどケインもフォース使ってんのか。
それをいうならジョン・ウィックのスーツの裾もひらひらしてて防弾性なさそうだし、何度も車にひかれてるけど、まあ死なないよね、主人公だから。最後は階段落ちまで披露して、はい振り出し~って戻った時はさすがにヨレヨレだったけど笑
んで必然のようで、よーく考えたら理由不明の大阪コンチネンタルの訪問。
暗黒街で燦然と輝く友情、一番ゆったりとした再会場面で燦然と輝くネオン「初志貫徹」、笑いすぎてセリフが入ってこなかったからやめて。
ちなみにホテルは国立新美術館の外観を使ってましたね。
地下鉄、あれは日本じゃないだろう。ジョンが乗り込んだとたん空っぽになった車両に、隣の外人が「HAHA、誰もいなくなった」と笑っておりましたが。心の声、駄々洩れか。
(ちなみに隣の外国人はドニー・イェンの「死んだのか?」というセリフに「はい」と答えて大いに笑わせてくれたけど、中には舌打ちするやつもいて、ジョークの分からないつまらん日本人め、と思った次第)
それにしてもどう決着をつけるのか?と思っていたら、なるほどよく考えたな~という結末。汚いチキンぼっちゃんをまんまと騙しましたね。
ラストはウィンストンとジョンの関係にも含みがあるし、ジョンの顛末にも含みがある。
個人的には“殺し屋”ジョン・ウィックが死んだということにした、と思いたい。
主席連合も全員登場したわけではなく、まだこの世界を発展させて描くことはできそうだが、これ以上の完結作は望めないだろう。
ちなみにTOHOで観たが劇場前に「エンドロールの後に映像あり」という注意書きがあったり、予告後にシリーズのおさらい映像が流れたりと親切。
炎のデス・ポリス レビュー [アクション・アドベンチャー]
満足度★60点
■いまいち乗り切れず
オープニングが70年代風なポリスアクション。
300のジェラルド・バトラーが主役~というあらすじに引っ張られ過ぎたのも悪いのだけど、いつになったらこいつは活躍するのだ?とじりじりとしてしまった。
話の視点としては黒人女性警察官が主役に近い。
闇資金を持ち逃げしたディーラー、それを追う殺し屋、サイコパスなもう一人の殺し屋、それと内通している警察官、無能な警察署長などなど個性的なメンバーが僻地の警察署内で繰り広げる一種の密室劇なのだが、スター感漂わせてるジェラルド・バトラーが一番見所が無くて台詞も少ないので個人的に消化不良。
面白くなりそうなポテンシャルを持っているのだが、悪党どもの駆け引きにもあまり細工がなかったので、個人的にはイマイチあがれず盛り上がれなかった。いわゆるB級なのはわかってるんですけども。
地の果てまで追うわよと、救急車のハンドルを握る警察官。彼女もある種のサイコパスといいたい?よくわからないラストだった。
ミッション・インポッシブル/デッドレコニングpart1 [アクション・アドベンチャー]
満足度★90点
■スパイなのに世界一信頼できる男
あまりケチのつけようのない娯楽作品のレビューって意外と難しいのです。だってケチのつけようがないから。観賞から2週間経ってしまいました。
散々予告でチラみせされて胸を高ぶらせていたバイクスタントは、東京五輪の自転車BMXでメダリスト「ローガン・マーティン」が見せた空中手放し技にくりそつと思っていたのでスタント担当のアイデアだと思っていたら、パンフを読むと実はトム様が子供の頃に思いついて、ずっと暖めていたスタントだそう。8歳のトム様、そのとき実際に挑戦して、大けがを負ったため、いつか絶対このスタントを成し遂げると心に決めていたそうです。
しかもこれを成功させるまでに延べ800回ぐらい練習で飛んでいるらしく、本番のロケ地でも晴天すぎると地面が見えないし曇りだとトムが隠れちゃうしで大変難儀した撮影だったらしい。
映画のためならどんな危険なことも自分でこなし、「観客は偽物を見抜く」という持論で(確かにそう思う)、いっさいCGに頼らないという、映画愛による使命感で突き進むさまは、そっくりそのままイーサンの姿に重なる。
イーサンがグレースに「君の命が最優先だ。僕の命より」と語る言葉の真実味は、その眼に宿っていると思う。スパイなのに世界一信頼できる男ってあり? グレースじゃなくたって、言葉に詰まって涙ぐんでしまう。
ドラマ「エージェント・カーター」を観ていたのでヘイリー・あとウェルのことは大好きなのだが、
個人的にはイーサンの心の伴侶だと思っていたイルサがシリーズから退場してしまったのは寂しい。でもイルサは出自上、MIFには絶対入れないし、彼女の性質上、前妻ジュリアのように、一般生活できるに馴染むキャラでもない。
シリーズに新風を吹き込むためにはしょうがないのかな。私もIMFに入るわー、などとご都合主義にならないのはいいのだが、ちょっと絡みが少なくて残念。
劇中でもちょいちょい「いつものパターン」と自虐的に揶揄する展開や変装マスクのアイテムも、飽きるというより妙な安心感があり、「そうそうこれこれ、MIシリーズはこうじゃなくちゃ」と思ったりもする。追っ手がイーサンが変装しているんじゃないかと、怪しい人間の首をペロペロ触るところはわかりみが深い。
一つ一つのアクションは既視感があるものの、小技やひねりがきいていて、印象深く記憶に残る。
特に列車の屋根でのバトルシーン、直前に公開されていたインディ・ジョーンズの冒頭と同じですね。
それにしても散々映画で使い倒されているオリエント急行って、なぜこんなに絵になるのでしょう。
本題に戻りますが驚異のAI。人間の行動を瞬時に何パターンもシュミレーションして、自分の思い通りにことを運ぶ…。2001年宇宙の旅のハルの地上版ですか、あなた?
CIAが一生懸命アナログでタイプライターでデータを書き出している様子をみて、怖気(おぞけ)がはしりました。こんな日がこないこともないなと。
それにしても、ガブリエルといいグレースといい、みなさん肝心のキーを杜撰に扱いすぎじゃあ〜りませんか?頑丈な小箱に入れたり鞄にいれたりしないわけ?おい、ガブリエル、ポケットから落とすだろ!と何度もつっこみ。
あ、でも両手がふさがっているとピストル構えられないし、素手で戦えないから、ポケットに入る大きさじゃないと持ち歩けないのか・・・などと妙に納得してしまったのでありました。
ま、黒幕というか元凶はやっぱりアメリカ国家情報長官のデンリンガーだったわけだが、列車に残された死体はどうなるのかな?ちょっとスルーしすぎじゃない?
アメリカ国内とにかくpart2ではAIの予測を裏切る動きで世界を救ってくれ、イーサン。
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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル [アクション・アドベンチャー]
■インディにとって、これが一番幸せなんだろうというラストに寂しさも去来する
トップガン マーヴェリック [アクション・アドベンチャー]
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※2回目TOHO新宿4DX、F列端。距離・観やすさ問題なし。
フォグが字幕にかぶり若干見づらいシーンが後半あり。突き飛ばされるシーンのバックポーカー機能が少し唐突感。
もうなんもいうことないわ。よくこの時代まで引っ張った。正解!
空中戦はドローン戦になり、パイロットそのものの不要論が、まんまマーヴェリックの年月に重なって。
咽頭ガンのバル・キルマーを、まんま闘病中のアイスマンとして出演させたのも正解だし、胸熱。
ハングマンは若かりしマーヴェリックそのものなんだけど、腕は立つのに慎重なルースターは親友グースの死後、自信喪失したマーヴェリックにも重なる。また、ハングマンとルースターはかつてのアイスマンとマーヴェリックを彷彿とさせる関係で往年のファンを喜ばせる。
音楽、酒、筋肉、いい女、いい男!
もうどっぷりアメリカン。見事なまでにザ・王道。キングオブ王道。
(ちなみにルースターことマイルズ・テラーがピアノを特訓したと言うが、映画セッションでも猛特訓してたな) 途中、マーヴェリックにイーサン・ハントが重なって見えたけど、あそこのミッションいいスパイスになっていいね。いっつも走ってるよな、トム・クルーズって。
いや何か語るような映画ではないんだわ、これ。
とにかく本物の戦闘機の迫力、臨場感!これに尽きます。俳優陣もトレーニングよくがんばったなぁ。
そりゃビーチで筋肉見せたくなりますよ。いや、筋肉見せてくれてありがとう。
映画館で見たい映画を作る、その使命感に燃えたトムは誰がなんと言おうと最後のスーパースターだな。
ちなみに(ちなみに多い)、ヒロイン「ペニー・ベンジャミン」は前作に台詞にだけ登場してましたね。
管制塔の近くで、マーヴェリックが掠め飛んで脅かしていた司令官の娘。
ぶっちゃけドリーミーなラブシーンはちょっと恥ずかしい気持ちになったし、ラストのペニーさんもクルージングなぞに出かけないで素直に待っててくれよ、その焦らし、要らないんだわと思ったけど、ルースターと飛行機を整備してるシーン入れたかったんかね。その気持ちはわかる。
個人的な体験で、登山中に本物の米軍機が掠めとんで爆音に脅かされたこともあるから、米軍にはムムムと思うところあるけれど、映画は映画として超すっきり。変にマーベリックが死んだりしないでよかった。そういうの要らない。
ならずもの国家の保有する機体からして中露のどちらかということなのですが、仮想敵国はロシアでしょうね。 いやー、久々に【 TENET テネット [Blu-ray] 】以来、劇場でまた観たい映画の一つとなりました。
▼戦闘機など解説動画
https://www.youtube.com/watch?v=EKN73Q32Z7s
▼ミッション・インポッシブルの宣伝サイト
ミッション・インポッシブルの新作も楽しみ!
>>映画を彩る新曲、この2曲がいいのだが、ぶっちゃけガガさんはデンジャーゾーンに喰われたな。
MIA [アクション・アドベンチャー]
■題材がいいのに盛り上がらない
アフガンでテロにあった白人女性が母国へ逃げ延び、娘を生む。
自分の出自を知らぬまま育った娘。その一家を襲う謎のテロリスト集団。
MI6に匿われたミアは襲われた理由を知り、MI6の傭兵の男に訓練を乞い、両親の復讐のために旅立つ…。
と!ここまで書いて大いに盛り上がりそうなのだが、いまいち盛り上がらない。
他にもアフガン人同士の利権争い、明かされる親子の秘密、MI6の陰謀…などなど盛りだくさんなのだが、やっぱり盛り上がらない。
アクションの見せ方が下手なんですね。カメラアングルが悪いとうか。
例を出すと、トイレに入ってきたテロリストから身を隠すためにミアがバスタブの中に隠れるシーン。
携帯が鳴ってしまい隠れていることがばれてふいをついて逃げるのだが、そのときの動きがもっさりしてい、まったく緊迫感がない。
いや、恐らく撮影中に動く人間のスピードなんてあんなもんなんですよね、きっと。
でもそれをいかに速く見せるかが、撮影の腕の見せ所なはずなので。
脚本はスパイもののおいしいところを掻い摘まんで表面をなぞっただけ、撮影もいまいち、なんだか勿体ない。
ハリウッドでリメイクしたら、そこそこスマッシュヒットを叩きだしそうな素材ではありました。
キングスマン ファースト・エージェント [アクション・アドベンチャー]
■うまく歴史を絡め、外れなしの面白さ
今回は秘密結社結成への説得力を持たせるためか、歴史上の人物をふんだんに採用。
ラスプーチン、マタ・ハリ、レーニンなど実在の人物を絡めてうまく料理した。
米大統領の小物感も楽しく。彼がステイツマンを示唆するセリフも二度ほど登場。
世界を混乱に陥れ「うまみ」をかすめとる秘密結社の存在はあながち完全な虚構とはいえない。
陰謀論を唱えると陰謀論者と揶揄されることが多いが、原爆投下の決定にチャーチルが関わっていたことなど、のちのち明るみになる陰(かげ)の謀(はかりごと)は枚挙にいとまがない。
「左右両手のバランスをとる」のは彼らの常套手段。比重が偏ると謀がばれてしまうし、次々に繰り出すことでどちらかが潰れてもいいようにし、敵には標的を絞らせず社会を混乱させる。
「政治で戦争は解決しない」のも、それもまた真理。
また、英国による植民地政策など過去の贖罪のような台詞が度々あるのが印象的。それで旧植民地に生きる映画ファンのガス抜きしたいというわけではないだろうが、キングスマン設立への動機付けとしてはよい。
第一次世界大戦を「いとこの戦争」とはよくいったもので、当時のイギリス国王、ドイツ皇帝、ロシア皇帝はいとこ同士。
歴史を遡れば、ローマ時代にハリアドヌス帝がイギリスに壁を築き、その後ゲルマン人が神聖ローマ帝国を率いるようになり壁から南に入植したときから、イギリスとドイツに対しては似たようなルーツを持つ同士で覇権争いを何世紀続けてるんだ?と半ば呆れにも似た気持ちが湧く。
紳士の気品と愛国心と博愛精神を体現する初代キングスマン、オーランドにレイフ・ファインズ。ラスプーチンもぴちぴちの息子コンラッドより大人の魅力がいいらしい。レイフも足なめなめされながらも、老体にむち打って奮闘。「魔力は本当だった」じゃないよ、と突っ込み(笑)。
007ではMI6の高官と大忙しの彼。英国の存亡は彼にかかっているね。
アクション面では漫画的な未来形アイテムは登場せず、地に足の着いた無骨さ。しかし音楽にのせたノリノリの格闘シーンは健在。世界に張り巡らされた情報網は召使いという、地味ながらもワクワクする情報戦を展開。この設定が意外と萌え要素。マーリンとのバディぶりもよい。
前回のランスロットのように、重要なキャラがあっさり途中退場するもったいなさも。キャラを出し惜しみしなさすぎる感も。 コンラッドが戦地に赴く場面は「1917」のセットを彷彿とさせる。ゲリラ戦の緊迫感は見事で、戦場の無慈悲さや悲哀がしっかり描かれるが…、彼のキングスマンも見たかった。
イングランドとは何かと因縁と確執のあるスコットランド人が黒幕。
「マナーが紳士を作る」。まさかこの台詞が敵から語られるとはね。
それにしても最期の山羊の意趣返しは、山羊頭の悪魔「バフォメット」をモチーフとして使われる悪魔崇拝や秘密結社への皮肉のようにも受け取れるが、それは考えすぎか?
最後に過去編2が作られてもおかしくない大物が登場。それはそれで、オーランドの活躍を見たい気持ちもする。
007 ノー・タイム・トゥ・ダイ [アクション・アドベンチャー]
■007史上、最高にエモーショナル
実は前二作を見てないまま本作を見るという暴挙にでたのだが、人間関係はある程度推測はできた。
ヒールのサフィンは、世界を必要以上に憎んでいるサイコパスでもなく、どことなく達観した掴み所のなさが現代的。能面の使い道は少しだけだが、凄く強烈な印象を残す。ウイルス兵器を扱うのはスパイものとしてド定番ではあるが、この時代にネタとして使うのはなかなか。
レア・セドゥは【ミッション・インポッシブル ゴースト・プロトコル】で報酬にダイヤを求める暗殺者「サビーヌ・モロー」も演じており、スタイリッシュな佇まいがスパイがらみの映画に似合う。
しかしまさかボンドの愛がシリーズ終盤でこのように丁寧に結実するとは予想外だった。同じ空を見ながら逝く、という場面は007史上最高にエモーショナルで、彼の表情が強烈に脳裏に焼き付いた。体が消滅するところまで生々しく描かなくても…とも思ったが、もうダニエル版007は絶対に作られない、二度と出演はしない、という決意表明とも受け取れる。
全体的にボンドの過去と愛のメロドラマな展開の中で、アナ・デ・アルマスがいかにもボンドガールに相応しいセクシードレスで、007らしいアクションを華々しく披露。
引退したボンドが暫時的にMI6へ復帰したとき、007のコードは他のエージェントに与えられていたが、女性版007の話はこれで収斂&消化したと思いたい。
やはりボンドは男であってほしいし、女性にする必要性も感じない。
いや、もしかしたら、成長した娘マチルダが跡を継いだりして?
それはそれで観てみたい気もするが、スピンオフでお願いしたい。
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ターミネーター/ニュー・フェイト [アクション・アドベンチャー]
満足度★65点
http://www.foxmovies-jp.com/terminator/index.html
グレースと、サラ・コナーが超絶かっこよかったが、全体を通してみると2の焼き直しで、追いかけっこがスケールアップしたにすぎないという感想は否めなかった。
ジョンを殺した後、未来には帰れないターミネーターが時の迷子になるのはわかるが、人間の子を育てる選択をするのはちょっとご都合主義な展開ともいえる。2やジェネシスで、サラを守るためにT800を改変したという設定を使えないため、サラへの贖罪というテーマにしたのかもしれないが、ちょっと説得力がない。
また、救世主がジョン・コナーでなくていいなら、必死でジョン・コナーを守ってきた意味は?と考えたくもなるが、そこがAIの盲点なのかもしれないとは思った。
言い換えれば、AIは標的を殺せばそれでうまく行くと思っている。しかし救世主と言われる人間は、生まれつき救世主なのではなく、数ある選択と環境が一人の人間を救世主たらしめていくのである。AIは殺しても殺しても人間から新たな救世主が登場するということに、気がつかないのである。
標的を殺すために辺り一帯を無人化するような大がかりな爆弾や核を使わないのは、AIを作る人間やインフラまで壊してしまったら、そもそもAIの誕生が無くなってしまう可能性や大幅な遅延も起こりえる。だから刺客のターミネーターはあくまでみずからで止めを刺すことにこだわり、自分たちが誕生する未来が来るまでは、現在の人類は生かしておくのだろう。
しかしこれほどAIらが徹底的に人間狩りをするのは何故なのか。それはAIのなかに「自分たちを創り出した人間」への恐怖が根底にあるらではないか。劇中ダニーの台詞にもあったが「造った物は壊せる」のだから。
そしてAIの暴走という未来を繰り返し選択してしまうのも人間なのだ。
国境の壁、移民、女性の活躍、色々な要素を盛り込んだ今作だが、過去に憎しみあっても歩み寄れるということをシュワターミネーターに投影したのだろう。サラが壊れゆくT800に対して台詞なしなのが良かった。なんともいえない表情がいい。
しかし終わってみればジェネシスの方が独創性があって面白かったんじゃないか?
守るべきジョン・コナーがターミネーター化してしまうのはどうかと思ったが、サラを育てたのがT800という設定は面白いと思ったし、結局正統派三作目といいつつ、T800が他人の子どもを育てたという今作は、その設定を借りたようなものじゃないかとも思える。
ジェームス・キャメロンが原案ということで期待したが、少し肩透かし。余計なことを考えずシンプルなアクションというものを存分に楽しみたいならば、満足できるだろう。
とにかく生き延びることに勘の長けたサラ・コナーの、貫禄のある魅力につきる。結局未来の救世主を育て上げるのはサラ・コナー以外にいないのかもしれない。
>>メモ 余談だが、原題は「dark fate」で暗い運命。邦題は「new fate」で新しい運命というわけだが、妙にnewとかつけるから変な期待をしてしまうわけである。暗さのなかに一筋の光明を感じるのがこのシリーズの特徴なので、newとつけるとジョン・コナーの死亡に対して、制作サイドが「仕切り直し」したんだな、という感覚が妙に植え付けられてしまった。制作サイドはそんなことは意図していなかっただろうに。ジョンの死も含めてサラ・コナーに襲いかかる重たい運命を暗示しているのだから、そのままでいいのになぁ。
ジュマンジ~ウェルカム・トゥ・ジャングル [アクション・アドベンチャー]
満足度★60点
ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル (オリジナルカード付き) [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]
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■ゲーム自体に創意工夫が感じられない
前作はサイコロゲームの内容が現実に起きる設定だったが、今回はゲームの中に入るという逆設定。
中身が高校生のアバターを演じるロック様達は面白かったが、丁々発止のやり取りばかりで、肝心のスキル発動場面が物足りず。
また、ケーキを食べたら爆発する、蚊に刺されたら死ぬ、などクソゲー並みの弱点設定が微妙。蚊に刺されライフが1なのに次の場面では蚊が大量にいそうな川辺にいるし(笑)
ステージにも創意工夫が感じられなかった。一応地図通り進んでるんだろうけど、ジャングルを闇雲に走り回ってる感じ。
ロック様の下手くそなキス、中身が女だと思うと何故か可愛く見えるジャック・ブラックのマウス・トゥ・マウスがサービスショットだった(笑)。