題名の無い子守歌 [ヒューマンドラマ]
★満足度85点
■子に収斂する深い情愛
最初は復讐かと思えたイリーナの行動が段々明らかになるにつれ、執念では無く執着だとわかってくる。
彼女の搾取された空っぽの人生で、残された一粒の光。全編スリリングに描きながら、母親の愛情の物語に集約していく。一粒の光は、ラストで燦然と輝く太陽になる。
凄いのは、緻密に計算された見せ方で、スリリングさをずっと維持してること。過去のフラッシュバックと現在が平行して、最後のフラッシュバックで謎が収斂していく。
あの女の子が実は・・・というのは最初のシーンで概ねわかる。
でも、女の子を誘拐するつもりなのか何で家捜ししているかは、はっきりとはわからない。
じょじょに明らかにされていく編集の素晴らしさ。
その目的が『愛すること』と気付いた時、涙せずにはいられない。
トルナトーレ監督は結局のところ感動作をつくるんだなぁ。
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