コクリコ坂から [アニメ]
★満足度65点
■まっすぐな少年少女の恋物語
1960年代の雰囲気はよく知らないが、この映画を見るに限り、全体的に前向きで幸福感のある時代だったのだろう。
と、話の中身よりもこの時代風景を楽しむことから始まった。
ちょっと調べてみると、今作の設定された時代は、「ロシアより愛を込めて」が上映された年、鉄腕アトムの初回放送が始まった年らしい。
なにか、そこにすごい隔たりというか、洗練された娯楽という点でのギャップを感じてしまう。
本題に戻ると、もう最近ではジブリ映画の中でしか存在しないような、おなじみの真っ直ぐで清々しい少年少女たちが登場し、こちらも素直に応援したい気持ちになる。
父を亡くし母不在の中、下宿を一人切り盛りしている健気な少女・海ちゃんの初恋が、「実は恋した人は兄でした」という悲劇にならないよう、ドキドキして見守りました。
しかし「兄でもいい、私風間さんが好き」と言い放つ海ちゃんに、従来の古風な考えにおもねらない新しい風を感じます。風聞を気にする男性に対し、恋したら一途な女性の方がこうなったら強い。
結局、風間は兄ではありませんでしたが、例え兄だったとしても二人は一緒になるのではないでしょうか。
自分たちの想いを殺さないことが、戦争で死んでいった父達の手向けだとでもいうように。
それにしても時代なのか、カルチェラタンとかコクリコとか、横文字をぶら下げれば格好いいといわんばかりに恥ずかしいネーミングがバンバン登場。
カルチェラタンを守るために防火用水槽に飛び込むという「伝統の」パフォーマンスを行ったり、大掃除で取り壊しを防衛したり、理事長に直談判にいったりと、青春してるなぁっと、眩しすぎる風景でした。
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