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「グレタ ひとりぼっちの挑戦」で思う環境保全活動が提示する格差社会の未来 [ドキュメンタリー]

本編からは多少逸脱したことを書く。
グレタについて知人でもない限り映像以上のことは知りようがないので。

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移動手段でCO2を排出する最たるものとして旅客機のことがもっぱら攻撃されているが、庶民が飛行機に頻繁に乗る回数はそれほど多くはないだろう。私も人生で旅客機を使った回数は15往復ぐらいしかないように思う。車がないので、旅はもっぱら電車を利用する。


米国でも、
〉NPO国際クリーン交通委員会の新たな分析結果によると、アメリカ人で飛行機をよく利用するのは少数派で、年に6往復以上利用しているのは全体の12%。この人たちが空の旅全体の3分の2を占めている。(新聞より)


とある。ということは、庶民に対して年一回帰省することや、ようやっと手に入れた休暇で世界を旅してみたい思うことへ罪悪感を抱かせて自粛させるよりも、ハイクラスのビジネスマンや一部の富裕層による頻繁な渡航を制限しなければ、旅客機はより特権階級のものになり果ててしまう恐れがある。利用するごとにマイレージが貯まるより、利用する回数が増えるごとにカーボンニュートラル税を支払わせるなどの仕組みが必要なのではないか。

またグレタのように世界中の人がヨットで横断できるわけがない。あれはパフォーマンスの部分が大きいとは思うが、結局クルーやスタッフがヨット回収や人員移動のために飛行機を利用したので、批判を呼んだ。ヨットだとて、GPS機材・帆やマストにつかう素材・船体に使うカーボンや燃料など、そもそもヨットすべてがエコなのか?という疑問もわいてくる。

もし全世界の住民に、移動には船舶やヨット利用を推進したとしよう。
・搬送人数が少ない
・難破が増えてヘリや船での捜索が増える。
・豪華客船などの大型船舶が増えれば化石燃料に頼ることになる。
これらを踏まえれば、旅客機よりも戦闘機など足並みそろえて世界の軍備を減らすほうが、いいのではないか。(しかしそう簡単にはいかないのが政治の裏表)


移動を必要とせずネットで仕事ができるようになろうとも、サーバー保持のため電力消費が増える。電力が増えれば、グレタの反対する原発の見直しをせざるを得ない。
人が移動することが悪になってしまうのなら、人間は生まれながらの土地に縛られることになる。食料自給率の低い国では、当面輸入に頼るしかないだろうが、それも制限されると経済が停滞し、輸出で儲ける農家にダメージがでる。急な方針転換は食品ロスや廃棄も生むだろう。そして第三国の農業国家は貧困に陥ると働き手として児童労働に頼るため、最たる人口加速を生んでしまう。

結局のところ、何かが減れば何かが増えるのであり、人口そのものが減らなければ抜本的解決はない。人口が漸減していくのが理想だろう。

過度な環境推進は、格差社会を特権階級や国家権力が庶民に押しつける口実にもなり、危険もはらむ。
グレタ支持団体は貧困層の経済的救済策の具体例をどんどん提示していかなければ、アンチが増えるだけだろう。

しかし彼女は一人一人の意識に強烈に訴えかけることには成功した。
折しも急に国連がSDGsを推進し始めたことも、追い風になっている。

食品ロス、家電の安易な廃棄、フリマアプリの活用、農産物の地産地消、個人ができることは限りはあるが、できることはある。外来種のペットを不買し、動植物を守ることから始めることも、環境保全に通じる。

しかし来るべく食料危機に備え家畜を食すことに罪悪感を植え付け、昆虫食を進めようとしている昨今のメディアの風潮は、やや怖いとも感じる。
食糧危機が起きたとして、はたして金持ちが昆虫を食べるだろうか?
自分が富裕層なら、まず食べない。農家に金を払い、うまい肉を確保するだろう。
そして低下層の人間は昆虫を食べさせられるというわけだ。


環境保全活動そのものには大いに賛同するが、その裏で首を傾げる政策や企業活動が邁進しているのも事実。

その一つにレジ袋の削減は意味がないのではという指摘がある。
・結局ゴミ袋としてプラスチック袋を利用すること
・レジ袋はプラゴミの全体の2%でしかないこと
・マイバッグの製造過程の方が環境負荷が高いこと
・焼却炉で燃やすときに別の燃料を入れること(レジ袋の原料は原油であるため燃やすと熱効率を上げられた)

また、レジ袋有料に伴い紙袋も有料化するなど環境口実にした店の便乗値上げなどもあり、消費者は注意深く判断していく必要がある。

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