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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル [アクション・アドベンチャー]

満足度★80点

インディ運命のダイヤル.jpg


■インディにとって、これが一番幸せなんだろうというラストに寂しさも去来する

STAR WARS創造主ジョージ・ルーカスやスピルバーグが関わっているとあっては、ラストインディを見に行かないわけはない!
あーそして、俺たちのインディは、俺たちのインディでした(感涙)。
 
さすがによぼついてるハリソンばかりだと無理もあるので、若かりし頃のインディを冒頭でたっぷり堪能させてくれた。
それと対比して時代の流れに取り残された老教授という現代(69年)のインディの姿はかなり切ない。
頭もぼさぼさだし、タンクトップ姿はみすぼらしいし、大学でも生徒はまともに授業を聞かない。若い世代の新たな冒険が、「宇宙」に舞台を移したことが顕著な場面設定で、パレードの中をインディが馬で駆け抜ける姿は、本当に象徴的な演出だと思う。
 
キー・ホイ・クアン演じるショートとインディのタッグが、かつての教授仲間の娘ヘレナとスラム育ちの男の子テディに代がわりはしたものの、アリストテレスの秘宝をかつてのナチから守ろうとする気骨のある姿は、やはりインディそのものだった。
 
ただ欲を言えば、マッツ・ミケルセンのフォラーをもう少し深堀りして欲しかった。ただ後を追っかけるだけのステレオタイプの悪党になってしまった。
彼の秘宝探しの動機も曖昧。ヒトラーは失敗した指導者だったからナチとして許せないのか、それともヒトラーが悪逆の限りを尽くしたから歴史を正したいのか…セリフからはイマイチ汲み取れず。しかし後者だと、インディが直接手を下して止める強力な理由がなくなる。だから、事故死にしたということだろうか。
 
ちなみにフォラーのモデルは、人類を月に送り込むアポロ計画でロケット開発を担当した科学者のベルナー・フォン・ブラウンだと思われる。彼は元ナチス親衛隊の隊員で、第2次世界大戦中、連合国側に多大な犠牲をもたらしたV2ロケットの生みの親でもある(実際、大戦後の西側諸国と旧ソ連はドイツ第三帝国の優秀な研究者を取り込もうと先を争っていた。フォン・ブラウンは、未使用のV2ロケットを渡すことを約束し、100人近いトップレベルの科学者や技術者を引き連れて米国に亡命。1950年にアラバマ州の小さな農村ハンツビルへと移され、軍はこの地にあった武器庫をミサイル開発センターに改変したとのこと)。

フォラーを少し持て余してしまったのか、信念めいたものを感じられなかったのが残念ではある。アントニオ・バンテランスの扱いも雑だったなぁ。
 
それはさておき、古代ローマのアリストテレスの時代に残りたいという「ロマン」に未練たらたらのインディでしたが、現代に強く彼を引き留める隠し玉がラストに登場!
息子がいなくなった理由も重なって、インディのみならず、往年のファンの目頭も熱くなったのでした。老人同士のキスシーンは、引きで正解。
 
余談ですがラスト、まあるく画面が閉じていく演出は、マンダロリアンシーズン3の最終話と同じだった。
 
個人的には、世界の秘密が次元や宇宙に区代されるより、古代の地球にあるという考古学ロマンの残滓が感じられる映画はもう出てこないだろうと思ってしまったことが、寂しさを加速させました。

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