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雨月物語 [時代劇]

★満足度70点

雨月物語

雨月物語

  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • 発売日: 2007/09/28
  • メディア: DVD

人間の業を素直に表現した映画ですよね。古典だから。
立身出世を夢見る2人の男の話だけど、一人は怪しい美女につかまるけどそれが幽霊だったと知り、もう一人はなんとか戦争で手柄をたてるけど入った宿に自分の妻が売春婦として身をやつしてるのをみて眼が醒める。

京マチ子が怪しい魅力です。


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写楽にうっとり [時代劇]

★満足度85

うわぁ久々に本物を観た~って感じ。ディティールが細かくって、とてもとてもセットには見えなかった。
今でも存在して生きてる江戸という街があるかのようだった。
特に中村座の前の通りから視線がどんどん上に登って、江戸の町を一望するシーンはさりげなく凄い。くどくないけど細かいのでCGと思えない。こういう、たった数秒の手の込んだワンシーンを入れるだけで、余計な台詞や説明などもいらないし映画のグレードも高くなるよねぇ。

謎の絵師、写楽を大胆に設定していて、話も巧妙。葛飾北斎や喜多川歌麿、十偏舎一九、滝沢馬琴など、有名人も沢山登場して、嬉しいやら楽しいやら。
役者達の飄々とした演技もバタ臭くないし、江戸弁もリズミカルで素敵。
企画総指揮も担当したフランキー堺さんは、この映画が遺作となりました(__)。

●STORY>>話は中村座の端役者の主人公(真田広之)が、舞台の上で足を怪我するところから始まる。働けなくなった彼は流しの大道芸人の女座長に拾われ(というか惚れられて囲われ)、“とんぼ”と名付けられてその日暮を始めるが、ちょくちょく歌舞伎座に行っては舞台の大道具に背景など書いて手伝っていた。

人気浮世絵師、喜多川歌麿に見限られてしまった、「本屋耕書堂」を営む蔦谷重三郎(フランキー堺)は、美人画の歌麿に負けないような役者絵を鉄鼠(後の葛飾北斎)に書かせようとするがなかなかうまくいかない。鉄鼠の越してきた先にはとんぼがいて、彼がさらっと書いた絵を見てその才能を感じ取り、鉄鼠は蔦谷にとんぼの存在を教える。蔦谷と、お抱えの十偏舎一九が彼を持ち上げて絵を描かせるよう仕向けたが、あまりにも真に迫った斬新な絵は、最初は大衆やモデルになった役者からは批判された…。

劇中とんぼと花魁の恋も描かれるが、彼らの交わす台詞はほとんどない。偶然に花魁の手元から逃げ出した猫を拾ったとんぼ。花魁は1両以上の値がつく“高嶺の花”。庶民が気安く声をかえられるものではない。だけど二人の視線が絡み合うと、それだけで「ああ、これは恋に落ちたな」とわかるのである。台詞のない艶やかなシーンもたっぷりで、うっとり。彼らの恋は悲恋になるのか成就するのか、ラストは結末を描かない。そういうのも、“粋”なんだろうなぁ。

日本に来た外国人が「なんて綺麗な街だ」と絶賛した江戸。シーボルトは花の咲き乱れる江戸に感動し、色々な種を母国に持ち帰ったと言う。
本当にその名残がほとんど今の東京に残っていないのが悔しい。せめて京都くらい保存されていたら…。ああ本物の江戸に行(生)きた~い!

劇中、今でも耳にする名詞がちらほら登場するが、その中でも「千両役者」。人気の歌舞伎役者にあてがわれる言葉だけど、本当に給金が高く、幕府から「あげすぎだ」とお咎めがくる。
一両で庶民大人一年分の米が買えたというから、その価値、恐るべしである。


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