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スノーデン:独白 消せない記録 [■BOOK・COMIC]

満足度★90点

スノーデン 独白 消せない記録

スノーデン 独白 消せない記録

  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2019/12/20
  • メディア: Kindle版
スノーデン 日本への警告 (集英社新書)

スノーデン 日本への警告 (集英社新書)

  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2017/04/24
  • メディア: Kindle版
■自分事と捉えるべき事象

政府で働く人間たちが全体意識として監視という行為を容認しているわけではなく、あまりにも細分化されたタスクにより「罪の意識」がないことが問題でもあると感じた。「誰からの、どういう理由で、何のために」という重要な部分が抜けたまま、上位に位置する人間のきまぐれで個人の情報は赤裸々に暴かれてしまう。


このような話になるとよく、「自分にはやましいことがないから問題ない」という人がいる。

しかしスノーデンも記したように「隠すことがないからプライバシーなんか必要ない、不要だと主張するのは、言うことがないから言論の自由なんかどうでもいいというに等しい」ということと同じだ。また、今現在は自由に対して意識していないかれど、知らない間に物言わぬ機械にタグ付けされ、「反社会的人間リスト」のどこかに分類され、当局によって好きなタイミングで好きな内容にアレンジされ、利用されてしまうかもしれないのだ。それは誰かの罪をでっちあげるために、かもしれないし、監視社会を必要悪だと刷り込ませるプロバガンダに、かもしれない。

何の令状もなく個人に承諾もなく個人情報にアクセスできることは、スノーデンの言葉を借りると「道をはずれたことをやったら、きみの私生活をネタにしますよ、という政府の脅しに等しい」のであり、許してはいけないこと。

これを意識して生活するとしないとでは、だいぶ世の中が違って見えてくるだろう。

そして誰かが(それが見知らぬ第三者でも)日本国内で理由もなくプライバシーと人権を侵害された事件があったときに、すぐに気が付くことができるし、微力ながら力になれるかもしれない。
民主主義とは、目を光らせ手を加え続けていかないとあっという間に形骸化していく。それが、市民や国民に課せられた「終わらない仕事」で「終わらせてはいけない仕事」なのだと思う。

〈抜粋〉
・一般利用者の観点からすると、クラウドはただの保存機構で、データが個人デバイスではなく各種のちがうサーバに保存されるようにするもので、そのサーバは極端な話ちがう企業が所有して運用してもいい。結果として、データはもはや本当に自分のものではなくなる。企業がそれを統制し、それをほぼどんな目的のためにでも使えるのだ。
(中略)企業は、どんな種類のデータを保存してくれるのかを決められるし、気に食わないデータはあっさり削除できる。自分のマシンやドライブに別のコピーを持っておかないと、このデータは永遠に失われてしまう。

(中略)企業は一方的にアカウントを削除しデータにアクセスできないようにして、一方で記録用にコピーを残し、こちらの知らないうちに合意もなく当局にそれを提供できる。最終的にぼくたちのデータのプライバシーは、データの所有権に委嘱する。これほど保護の薄い財産でありながら、これほどプライバシーな財産というのもない。

・台所に鎮座する将来のスマート冷蔵庫が、ぼくの行いや習慣をモニタリングしてカートンに直接口を付けて飲むとか、手をきちんと洗わないとかいった傾向を使い、犯罪者となる確率を評価するところを想像してみた。

・道をはずれたことをやったら、きみの私生活をネタにしますよ、という政府の脅しに等しい。

・10年にわたる大量監視の後で、この技術はテロに対する兵器としての威力よりはむしろ、自由に対する兵器として協力だったことが明らかになった。こうした計画を続けることで、こうしたウソを続けることで、アメリカは何も守れず、何も勝ち取れず、大量のものを失っていた―そしてやがてはポスト9・11の「われわれ」と「あいつら」との間にほとんど差がなくなってしまう。

・市民の自由は相互依存しているから、自分のプライバシーを譲り渡すのは、全員のプライバシーを譲り渡すに等しい。

それを便宜上諦めることはできるし、プライバシーは隠しごとのあるやつしか必要としないという通俗的な王実を使って捨て去ることもできる。でも隠すことがないからプライバシーなんか必要ない、不要だと主張するのは、言うことがないから言論の自由なんかどうでもいいというに等しい。
(中略)あれやこれやといった自由が、今日の自分にとって意味がないからといって、それが明日には自分や、ご近所や―あるいは地球の裏側で抗議していた、整然とした反対者たちの群衆にとって意味がないということにはならない。

・アメリカが諜報を共有する主要国、ファイブアイズ=オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、イギリス

全てを嗅ぎ出す=データの源を見つけること
すべてを知る=そのデータが何かを突き止めること
すべてを集める=そのデータを補足すること
すべてを処理=そのデータを分析して使える諜報を探す
すべてを活用=その諜報を使ってNSAの狙いを実現すること
すべてをパートナー=そのデータ源を同盟国と共有するということ

・2013年、国家情報長官ジェイムズ・クラッパーは上院・特別情報委員会でNSAが市民の通信の大量収集を行っていないと先生の上で証言。「うっかり集めてしまうかもしれない場合はありますが、でも意図的に行うことはありません」と発言。これは議会のみならず、国民に対する意図的な臆面もないウソだった。


・Tor
https://ja.wikipedia.org/wiki/Tor


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