ソーシャル・ネットワーク [ヒューマンドラマ]
■精神的に未熟な天才
彼女に振られた腹いせと、エリートを見返したいという劣等感からFacebookは生まれた。
世界最年少の億万長者は、抑揚のないボカロのような話し方をする変人で、歯に衣きせぬ物言いで人を白けさせ、元カノへの未練を断ち切れない孤独な男。
数ある訴訟騒ぎは、人心へ心を砕くほどのキャパシティーがなさ過ぎて、結果的に裏切ることになってしまっただけ。社会の抱く、若くして成功者という虚像とはかけ離れ、実像は人とうまく繋がれない不器用で、寂しい青年だった…。
……という描き方をされているが、あくまでこれはフィクション。
ザッカーバーグ本人からすれば、世の羨望から目がそらされ、いいことずくめか。
フィンチャー監督は、若者の孤独感を見事に描いている。文武両道のリア充を妬んでいるにも関わらず、それを餌にして女性もつるというねじれた承認欲求、新しいSNSへの欲望と興奮がネットという世界で奔流していくにも関わらず、本人がその流れの外にいる対比などが素晴らしい。
元々のアイデアを他人から盗み、それを開き直って「具現化できる技術と知性があるのか?」と言い放つが、「やったもん勝ち」の理論で突っ走る幼稚さと傲慢さも青臭く、生々しい。この生々しさがフィクションということを忘れさせる。そしてそれは、まだ世間に責任を負う年齢ではないからこそ許される雰囲気がある。
ラスト、元カノのFacebookを何度も更新するキー連打まで憎いほど完璧な、まさに青春映画。
ちなみにナップスターCEO、ショーン・パーカー役にジャスティン・ティンバーレーク。 このサービスに多少は犠牲を強いられてきた側のミュージシャンを充てるあたり、憎いキャスティング。 Facebookを複数形にするな、そして広告は入れるなという助言がクール。
世界最年少の億万長者は、抑揚のないボカロのような話し方をする変人で、歯に衣きせぬ物言いで人を白けさせ、元カノへの未練を断ち切れない孤独な男。
数ある訴訟騒ぎは、人心へ心を砕くほどのキャパシティーがなさ過ぎて、結果的に裏切ることになってしまっただけ。社会の抱く、若くして成功者という虚像とはかけ離れ、実像は人とうまく繋がれない不器用で、寂しい青年だった…。
……という描き方をされているが、あくまでこれはフィクション。
ザッカーバーグ本人からすれば、世の羨望から目がそらされ、いいことずくめか。
フィンチャー監督は、若者の孤独感を見事に描いている。文武両道のリア充を妬んでいるにも関わらず、それを餌にして女性もつるというねじれた承認欲求、新しいSNSへの欲望と興奮がネットという世界で奔流していくにも関わらず、本人がその流れの外にいる対比などが素晴らしい。
元々のアイデアを他人から盗み、それを開き直って「具現化できる技術と知性があるのか?」と言い放つが、「やったもん勝ち」の理論で突っ走る幼稚さと傲慢さも青臭く、生々しい。この生々しさがフィクションということを忘れさせる。そしてそれは、まだ世間に責任を負う年齢ではないからこそ許される雰囲気がある。
ラスト、元カノのFacebookを何度も更新するキー連打まで憎いほど完璧な、まさに青春映画。
ちなみにナップスターCEO、ショーン・パーカー役にジャスティン・ティンバーレーク。 このサービスに多少は犠牲を強いられてきた側のミュージシャンを充てるあたり、憎いキャスティング。 Facebookを複数形にするな、そして広告は入れるなという助言がクール。
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