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レミニセンス [SF]

満足度★85点
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■近未来を舞台にした正統派ハードボイルド

メメント、インセプションに続き、記憶は人を幸せにするのか?という問いに、ノーラン(弟)が一つの解へと導く。記憶が人を幸せにするのなら、過去に生きたっていいのではないかと。
今までは過去に囚われることについては、ペシミストの特性であり、発展性がなくあまり良い精神状態のものとは描かれはしなかった。だが記憶が最良の時間を与えるなら、それを選択してもよいのではとこの映画は優しく手を差し伸べる。まさにその状態は、劇中語られる「バッドエンドになる手前の、幸せのまま終わる物語」そのものだ。


だかまあしかし、私だったらワッツの生き方を選ぶ。他人や世界との関わりでどんな出会いが待ち受けているかわからないし、どんなに良い記憶でも飽きると思うから。
装置に入っている間は、それがフェイクであると自己認識できるのだろうか?
認識できるのなら現実に戻った時に虚無感に襲われるかもしれないし、認識できなければ現実との区別がつかなくなり狂いそうで怖い。

サスペンスではあるものの、この映画は紛うことなく愛の映画であり、観客を記憶の謎に置き去りにすることはない。愛する女性の影を追いながらの男の独白、フィルムノワール風の上質な雰囲気に酔いしれられる。特に、他人のメモリーで互いを想うシーンは極上の切なさ。

また、水面が上昇した湿っぽい街の描写は新しい世紀末感を確立したといえるかもしれない。退廃的であるものの、泡沫の夢のように儚く美しい。

しかしレベッカ・ファーガソンは、銀幕上であと何人の男をたぶらかせれば気が済むのか?
少し老けたタンディ・ニュートン姉さんも恋心を抑える渋みのある演技。
そういえば、二人とも過去作でミッション・インポッシブルのヒロインでした。

M:i:III [Blu-ray]

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  • 出版社/メーカー: パラマウント
  • 発売日: 2019/04/24
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