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「エブエブ」アカデミー賞席巻で思うこと [★映画こぼれ話]

2023-03-12T00:11:01.jpg

A24の快挙。日本の主なメディアは「アジア人が主演賞~」などと表層しかなぞって伝えないから、このエブエブが過去と違う点を考察したい。


アカデミー賞は本当に忖度なしに投票された結果かというと、さにあらず。
恣意的にブームを作る傾向にあるので、それに踊らされている気がしなくもない年もある。

例えばデンゼル・ワシントンとハル・ベリーが黒人でW受賞したときは、黒人にも賞をやっておこう的な、黒人に理解示してますよーという白人社会の上から目線も感じたし、ブラックパンサーが作品賞にノミネートされたときも、普段ヒーローものをみない黒人社会のなかで黒人ヒーローが話題になって興行が伸びたから、金儲け的な忖度を感じた。
申し訳ないがブラックパンサーがアカデミー賞の作品賞にノミネートされるほどの内容ではないと感じたのだ。もちろん、ヒーローとしての存在感は際立っていたし、マーベルシリーズの中では政治色の強い、実社会に通じるストーリーではあったが。


なので、外国語映画賞(という括りがあった)でアジア映画などがノネミーされてあんまり嬉しがるのも、白人の権威主義者たちに足元見られるぞと思っていた。
最近は【ミナリ】や【パラサイト】などが評価され、増えてきたアジア系移民への忖度なのか(両方韓国だけども)、またはアカデミー会員にも有色人種が増えたことで本当に多様性となったのかはわからないけど、色々いい方向への過渡期にあってほしいと思う。

で、今回の「エブエブ」は何が特徴なのかというと、白人の監督がアジア人を主役に迎えて、アメリカの移民を題材にしたストーリーで、アメリカ国内で封切られた生粋のアメリカ映画ということ。今までありがちな「外国語映画賞」の枠ではないのです。

そしてかつてハリソン・フォード演じるインディ・ジョーンズでバディ役を演じたキー・ホイ・クアンは移民として苦労した背景をもつ。多様性と昔からお題目を唱えてきたにもかかわらず、奴隷として大陸に連れてきた黒人に対してやっと同じアメリカ人として認めるようになった次は、「移民」と真正面からやっと向き合ったということ。白人が、マイノリティーになるかもという恐怖から解放されて、有色人種を敵視しなくなってきたのかもしれない。少なくとも都市部では。
 


ただ、映画の内容を無視して必ず女性やマイノリティーを雇わなくてはならない、役をあてがわなきゃいけないなどの制約には疑問。よけい分断をうむなのではないだろうか。例えば【ブロークバック・マウンテン】のようなカウボーイ映画に黒人やアジア人が重要な役割で出ていたらおかしいし、【プリティ・リーグ】に黒人チームメイトがいたらおかしい。その反対に、黒人社会を描いた作品に、必ず理解のある白人が登場したらおかしいではないか。最近の映画の恋人同士はほぼ異人種同士にするのも不自然と感じる。
そういったことがあまりいきすぎないようにしてほしい。


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