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ライデン国立古代博物館―古代エジプト展 [■ART]

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https://www.leidenegypt.jp/

ミイラをスキャンした映像と棺を立てて並べた展示がユニーク。
ミイラから複顔した模型がありましたが、目がアラブ人より少し小さくて吊り上がっており、鼻腔は狭くとがっていることからローマ人かギリシャ人のような風貌もたたえていた。

〈個人的な見どころ〉
「ツタンカーメン王の倚像」新王国時代・・・テレビなどでも紹介されたこともある座像。
「イクニューモン」(カワウソ)の像・・・数あるエジプト展で初めて目にする動物!
ミイラのスキャンでは、遺体の中には入れないとされる土偶が発見されたり、卵を有する蛇のミイラが見つかるなど新発見が映像とともに流れる。

中王国時代と思われる石造やレリーフの人物像は、下腹がほんの少し出ている。360度完全体を造形するに至らないエジプト彫刻に置いて、少しでも立体感を出そうという工夫だったのだろうか。

棺の中には木棺もあり木の性質に想像が飛ぶ。腐る木と腐らない木、その保存の仕方や加工の仕方の違いはなんだろう?古来日本では水に浮かべて木材を保存することもあった。木遣り唄がふと頭に流れる。
木は濡らしていいのか悪いのか?何千年もその姿を保てることが想像の範疇を超える。
おなじみのカノポス容器、精巧なビーズアクセサリーなどエジプト展でおなじみの物ばかりが並ぶが、今回はどれも「B級品」がない、選りすぐられたものばかりという印象を受けた。
ヒエログリフは、描かれた動物の顔の向きから読む方向を見つける。巻物の中で中心から左右別々に広がっていくものもあった。
相変わらず覚えては忘れていくヒエログリフだが、そのヒエログリフの刻印の中には、無粋な想像だがどれか誤字脱字もあるのでないだろうか。解読できない一部分はもしかしてそういう理由からかもしれない。王墓だから王族だからといって、慌ただしい政権闘争の中ではろくに推敲もされない墳墓や埋葬品もあったのではないだろうか。
識字率1%だったというからまさに暗号だ。呪詛でもあり輪廻転生のテクストでもあり、個人を特定するものでもある。
三角錐の「コーン」は個人の名前が刻まれて墳墓に差し込まれるという。
それだけ抜き取って、印璽としても利用できそうだ。

バーとカーは日本語に訳せないとは言うが、お盆などで供えられるきゅうりとナスのように、魂とその依り代と置き換えればそれほど似ていなくもないと思うのだが。

そういえば、お土産コーナーはメジェド様で溢れていたが、そのメジェド様は今回展示された「死者の書」には登場せず。連れの友人がしきりに実物を見たかったと嘆いていた。

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