ウェス・アンダーソンすぎる風景展 [■ART]
映画の映像をすべて「真正面」に、人物が絵画のように定位置に「固定」された画を撮り続ける稀有な映画監督、ウェス・アンダーソン。
…「これ、ウェスっぽい!」という風景を、ファンたちが「#AWA」(アクシデンタリーウェスアンダーソン)のハッシュタグをつけて投稿した写真の展覧会。
真正面でぽつんと。カラフルで温かみのある色、そして「空」が肝。
ホテルも入り口ではなく、最上階と空を撮っている。そこに物語性というか、小説の行間のような「間(ま)」を感じる。
これはかなりの発見。絵本のようでもあり、異次元の入り口のようでもあり。シュールなダリの絵画のようでもあり。写真の可能性を感じます。
建物の歴史的背景も書いてありますが、写真を見せたいので解説版は小さめ。
それをとことん読み込みたい人は、展覧会費用をケチって、最初から図録を購入するのも手だと思う(笑)。
とにかく、旅に行きたくなること請け合い。
日本は看板や、立ち入り禁止などのコーンとか、のぼりなど余計な物を置きすぎなのだと気が付く。
店もポスターや余計な物をべたべたと張りすぎ。一番末尾の、郵便局の潔さを見よ!
なんと上は北朝鮮。
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「ドミノ」~ロドリゲス節が光るサスペンス [SF]
満足度★68点
■そっち系か~…
ぶっちゃけ、ダイアナと出会ってからの展開で「あ、そっち系?」と肩透かしをくらったのが印象。
予告のみ拝見、監督のインタビューは読んだものの、あまり前情報は仕入れず。
冒頭5秒で騙されているというキャッチコピー、予告編で「脳をハッキング」うんたら流れてたので、「ネタバレじゃーん、AI使った新たな犯罪もの?ロドリゲス監督も騙し騙されの上質なサスペンス作るんか」と勝手に思っていたら、さにあらず。
あれれ、超○力系でした。でも原題は「ヒプノティック=催眠」とそのまんま…なので、制作陣は隠しているつもりはなかったんだな。邦題を「ドミノ」にされたことで日本人はまんまと騙されたのかも。
「インセプション」のウィリアム・フィクトナーが出演していることから、ちょっと同等のクオリティを無意識に求めてしまったのかもしれない。
WW2時代の超人化計画よろしく、人体実験系の割とありふれた話ではあるが、手品師などは話術や身振りや声のトーンなどで人の意識を任意でそらすことができるので、人間の隠された能力として強化できそうではある。キリスト、ブッダなど伝説の指導者は、人を虜にし、催眠状態にさせる話術やオーラが備わっていたかもしれない。いやきっと、稀代の伝説的存在はそういうカリスマ性を持っていたのだろう。
話は戻るが、不必要なグロ、サイコ的なシャワーシーンなど、「プラネット・テラー in グラインドハウス」や「シン・シティ」を監督したロドリゲスがやりそうな味付けが、ちょこちょこと顔を出す。
サイコホラーやゾンビものが好きそうな演出にちょっとニヤリ。ちなみにシン・シティは共作で原作ありだけど隠れた名作だと思う。
話の展開は確かに騙し騙されではあるものの、ちょっとなんでもあり的な雰囲気になってきて、「組織」という便利で漠然としたものが登場すると風呂敷を広げ過ぎた感もある。
まあ娘につながる貸金庫の暗号は、よくあるアナグラムだろうなと思ったらやっぱり。
デルレーンはダニーの養父母のことにすぐ察しがつかないか?と思ったりもする。
自由、全体主義への警告・・・と深掘りするほどの仰々しさはない。あくまで、ある家族の戦いの話。
どことなくB級感が漂う作品なのでありました。
続編も作れそうね。
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