パディントン [ファンタジー]
■完璧な王道
Paddington パディントン 実写映画 ベン・ウィショー(声) PAL-UK盤
- 出版社/メーカー:
- 発売日: 2015
- メディア: DVD
あまりにもこの名作を追い越して沢山のパターン化された動物ものが作られてしまったせいか、新鮮さが感じられなかったのは残念。
どこかで見たような話だし、パディントンが巻き起こす騒動も展開が読める。
異種同士の友情も、ありきたりと言えばありきたり。
でも、動物もののファンタジー映画をどれか一つだけ見ればいい、として推すならばこのパディントン。
なんといっても欠点がないのだ。
秀逸なのは喋る熊が現れる導入部分。
何しろ絵本ではなく実写なのだ。テッドのように存在が破天荒であるならばまだしも、一応普通の熊が普通の都会ロンドンに現れるのだ。
でも劇中のロンドンでは「ちょっと」珍しいだけ。
遭遇するブラウン一家も「熊がいる!」ではなく「変なやつがいる」という対応で、存在をすんなり受け入れている。
現実のようで現実ではない、その描き方がとっても上手。
ミニチュアの列車が回想シーンの導入になったり、ブラウン一家の壁の絵の木々が心情に合わせて満開になったり散ったりするなど、絵本の持つ優しさや空想を上手に使っている。
人間社会からつま弾きされた父を持つという、少し同情の余地がある敵キャラもいい。
誰も死んだり暴力的なシーンがないのも、最近子供向けといいつつそうではない映画も多いなか、珍しく非の打ち所がないなと感心。
パディントンはドジッコだけど、映画は優等生です。
夢 [ファンタジー]
★満足度65点
映画だが舞台を見ているような構成の緻密さは毎回新鮮な驚き。
しかしいかんせん、話の内容があまりおもしろくない。
オムニバズの後半になると、原発などの重たいテーマになって、放射性物質に色がついていたら、という設定で追い詰められた人々を描く。
放射性物質は色がないから恐ろしいという、3.11を経験した日本人にとっては今更になって痛感する出来事。
自然が荒廃し、食べるものが無く人肉を喰らうはめになるというシーンは、「ワールド・ウォー・Z」(原作)を思い出させた。
(あちらは未知のウイルスでゾンビ化した人間があふれてしまうというものだが、人肉を食べざるを得ないシーンがある)
まさに天罰というやつ。超巨大なインフラに個々が頼り切りの場合、一人では何もできない有象無象が跋扈する。
また、「水車のある村」では」対照的な自給自足の田舎の幻想的な風景を描くことにより、自らの原発反対姿勢を世間に訴えている。
黒沢がシナリオにのせるからこそ含蓄のある台詞となるのだろう。
「男はつらいよ」時期よりも少しふっくらしたような、笠智衆が良い味を出している。
ジャックと天空の巨人 [ファンタジー]
★満足度75点
■巨人が襲って来る様はあの漫画を彷彿とさせる
お伽噺と侮るなかれ。
勝手にディズニーと思い高をくくっていたら、なんとなくダークな色調とか、巨人の気持ち悪さとか単純なお子様向けではない雰囲気が漂っているなと思ったら監督がブライアン・シンガーだった!なるほどねー。
有名なおとぎ話がお伽噺として語り継がれる架空の中世が舞台。
ベースは「ジャックと豆の木」と「巨人退治のジャック」という二つの民話。
この映画で語り継がれている「豆の木」伝説では、天空の巨人はかつて地上にいたが、人間との争いにおいて人間の味を知ってしまい食い殺していったため、かつての王国は苦しめられていた。
絶滅を憂えた王が魔法使いに命じて、巨人を従えさせることのできる力を王冠にこめさせ、それを身につけた王は無事、巨人を天界へ封じ込めることができる。
それから地上と天界を結ぶ「豆」と「王冠」は王の墓と共に葬られたが、悪い奴はどの時代でもいるもんで、現代の王の側近が豆の在り処を暴き世界征服を目論むという、いわば「ジャックと豆の木」の後日譚の仕上がりになっている。
王冠はまるで『指輪物語』のスーパーアイテムのようだし、しがない農夫である主人公ジャックとイザベラ姫の身分違いの恋物語もよくある展開。
というように、予定調和の安心感もあるが、すぐにシリアスに転じそうな不穏な空気がずっと漂う。
特に地上に降りてしまった巨人が群れをなして襲ってくるときは恐怖。
草原をひた走る馬、地鳴りと共に迫りくる手、頭から喰われる人間。まるで【進撃の巨人】のようだよw。
進撃の巨人は日本での実写化が決定したが、このジャックに劣るようでは目も当てられないな。
ユアン・マクレガーが姫を守る騎兵隊の隊長役で出演。
悪の側近と対峙して危機一髪、「俺は主人公になれなくても、生き延びる!」というセリフはSWシリーズのオビ・ワンを意識したお遊びだと思う、絶対。
裏の主人公ともいうべき巨人達は、トロール、ティターンにお馴染みの「汚い・野蛮・単細胞」という3拍子が揃っているが、王国には様々な彫刻があるし、料理に様々な調味料加えたりと少し文化的な側面も見せる。
(料理シーンの豚の丸焼きが個人的にツボ)
「人間が食べたい」という彼らの欲求を描写を残酷ギリギリのところで上手くまとめている。
子供向けを逸脱していないけれど、大人も充分ハラハラできる作品。
ヒューゴの不思議な発明 [ファンタジー]
ヒューゴの不思議な発明 3Dスーパーセット(3枚組) [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
- メディア: Blu-ray
メリエス自身の伝記映画とせず、ヒューゴという少年の目を通して傷ついた老人として登場させたことに、この映画の成功はあると思う。
ただ、物語がどこへたどり着くのか中々判然としないので、この映画が真の主役はメリエスなのだという予備知識がない人にとって、前半はちょっと退屈するのではないか。
もちろん、彼のことを知らなくても十分楽しめるが。
百年前のパリの風景は、現実味を表現することを避け、あえて幻想的なエフェクトをかけて、メリエスの映画と同じように夢の中のような浮遊感を漂わせている。
そこで暮らす人々の恋愛模様や、美味しそうな焼きたてのパン、日々の疲れを癒やす楽団、毎日仕入れられる花々の描写は見ているだけでウキウキする。
駅の壁の中から誰とも接することなく外界を観察しているヒューゴと、あまり流行らないおもちゃ屋の中から移りゆく駅の喧騒を眺めているメリエスは、どこか似ている。
未来の展望が見えない少年と、過去に囚われている老人。
二人は見えない時の流れをつないでいるタイムトラベラーのようでもある。
そして、劇中のヒューゴは映画ファンそのものであり、【月世界旅行】幻のカラー版を何年もかけて修復したスタッフ達なのだ。
「人間に与えらられた役割」。
その台詞には、一大産業と化した映画業界の中で、「あの時の純粋さ」を思い出したい、という作り手の想いが溢れている気もする。
美しい童話のようなメリエスの芸術作品は「夢を与える」という言葉にふさわしい。
初めて見る興奮、知らない世界や冒険。
子供の時に出会ったいい映画は、永いこと心に留まり、まっすぐなエネルギーを与えてくれる。
これはその一本にしてもいいかもしれませんね。
タイタンの逆襲 [ファンタジー]
★満足度50点
タイタンの逆襲 Blu-ray & DVDセット(初回限定生産)
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- メディア: Blu-ray
■娯楽に徹すればいいのに
壮大な内輪揉めはギリシャ神話の得意とするところだが、それにしても登場人物が少なすぎてショボい。
人間が祈らないため、神々がどんどん減ってきて…残りはゼウス、ハデス、アレスだけ?
それでクロノスを復活させる意味がどこにあるのだろう。
ヘパイストスも全く神としての威厳がないし、ラビリンスの化物はミノタウロスとしても唐突感ありありだし、事の発端のハデスは結局ゼウスを許してしまうし。
うーん。
ギリシャ神話に疎い人はなぜアレスがあんなにゼウスを憎んだかわからない。
それだったらティタンノマキアーを下敷きに、オリュンポス一の厄介者アレス一人の反乱(もしくは浮気相手アフロディテも一緒に)という創作にして、アレスがクロノスを復活させ、アポロン、アテナたちオリュンポスの一族と闘う事にして、更に「不死の神々の戦いの決着には、人間の力が必要」だとする実際のギリシャ神話伝説を元にテセウス、ヘラクレスも仲間にする…などという英雄譚にしたらゴージャスだったのになぁ。
もしくはティタンノマキアーを忠実に再現するとか。そのほうがよっぽど話に拡がりがあるけど…?
と色々言いたくなる物足りなさ。
それに、人間による祈りで神のパワーが弱まるというのは、この映画シリーズの大きな特徴と言えるが、それだったらゼウスに祈ろうと兵士に呼びかければいいのに…。
サム・ワーシントンの演技は真剣さを帯びたけど、そんなにシリアスに演技する題材だろうか。
レイフ・ファインズ、リーアム・ニーソンのキャストが勿体無い。
前作の方が娯楽作品としては楽しめた。
人間賛歌を謳うには話が単純すぎるし、もしや、無神論を普及するための映画(笑)?
インモータルズ [ファンタジー]
★満足度65点
■ビジュアルは最高にいいのに
私はギリシャ神話ものに弱い。
そしてターセム監督に甘い。
ほんとにほんとに勿体ない!!
全てのシーンが、まるでフレスコ画や油絵画の色彩そのまま、神話の世界が動き出したような重厚さと静謐さを表現しているのに。
肝心の話のテンポはよいとは言えず、しかもやたら画面が暗いシーンばかりなのである。
これでは、ただでさえギリシャ神話の相関図が複雑すぎて頭に入っていない人にとっては、誰が誰なのやら。
映画は、どんな予備知識がなくてもある程度わかるように伝えなくては、楽しむ以前の問題になってしまうと思う。
しかし、数多のギリシャ神話映画ものの中で割とコスチュームが神々しくて気に入った映画ではあったし、ティターン族の囚われた地下牢もなんとも不気味で斬新だった。
テセウスが投げた槍が敵兵に刺さるシーンなど、随所に「300」スタッフならではのグロギリギリのダイナミズムを味わえたし、クライマックスでアテナとヘルメスが死んでしまうのも、既存の神話にとらわれず意外な展開だった。
特にアテナはゼウスの頭から生まれ、彼に大変かわいがられたという神話があるだけに、美貌と優しさと毅然とした戦う正義の神として、面目躍如の活躍だった。
などなど、かなりいいシーンも盛り込まれていたにも関わらず、観客は最後までおいてけぼり感を拭えないまま消化不良で終わってしまうだろう。
ティターン族は古(いにしえ)の神族である。だから力はゼウス、アテナ、ポセイドンらと拮抗していてもしょうがない。
ティターン一族であるクロノスは生まれてくる子供らを次々に呑み込んでしまったが、ゼウスだけはなんとか母に助けられ、父の腹にいる兄弟を助け出し、その彼らが新しく神々の世を治める「オリュンポスの神々」になる。
ということなどが、簡単にでも説明がなされていれば、何故ティターンがゼウスらを激しく憎み、またゼウスらがティターン族の反乱を恐れいたかがわかり、テセウスとハイペリオンの戦いが、ひいては神々の戦いに通じるということも理解できる。
ゼウスがギリギリまで人間同士の戦いには介入しない、という姿勢でいたのも、ハイペリオンの野望がどこまで神の領域に踏み込むのか、そこを見極めたかったのだろうとも思う。
つか、クレジット読んで初めてヘラクレスが出てたことを知りました。どこにいたの?
軍神マルス、ポセイドンももう少し際だたせてほしかったなぁ。
【ザ・セル】ではサイコキラーのスリリングな展開と、ターセムの毒々しい美意識が見事に融合していて、二回も見てしまった程だが、「落下の王国」辺りから己の世界観を表すためのイメージフィルムのようになってきてしまった。
脚本が悪いのか、編集が悪いのか、ターセムが悪いのか。
映像美は一級なので、もう一度立ち返ってほしい。
俳優メモ>>スティーブン・ドーフ
最近はいつも2・3番手の役ばかりでぱっとしませんねー。化ければ顔も似てるしエキセントリックな雰囲気もあるので、ユアン・マクレガーのような立ち位置を狙えそうなのに。
そんなに筋肉質ではないのに、テセウスに比べ貧相な防備のまま全編通してましたせいで、余計気になりました。
ハリーポッターと死の秘法 [ファンタジー]
★満足度60点
ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1 DVD&ブルーレイセット (3枚組)
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2012/03/10
- メディア: DVD
■傑作になり損ねたファンタジー映画
※原作は二巻までしか読んでません。あくまで、映画だけを見ての感想です。
とにもかくにも、ようやく見終わった。
シリーズを通してずっと感じていたことだが、どうしてだろう?
監督が違うのに、駄目なところが一貫しているというのは(笑
(それでも2作目まではまあ、面白いと思えました)
まず、ずーっと気になっていたこと。
・主役3人の演技が(演出が)いつも棒立ち演技
というか、次の台詞や場に行くための間が悪い。
辛うじてハーマイオニーだけは表情も豊かで、会話も流暢で3人の求心力になっている。
でも、いっつも皆が「よっとこさ」ってな感じで台詞に入るのが、なかなか飲み込めない饅頭がひっかかっている感じで、見ていて疲れた。編集も演出も微妙。
・ハリーの台詞が少ないし、表情もいっつも硬くて暗い
それにしたって、ロンとハリーの会話のテンポがぎこちない。
よっぽどオフスクリーンの時のラドクリフとルパートの方が、仲が良さそうに見える。
・学校でのハリーが浮き気味
これは「名前の言えないあの人のせいで周りが怖がっている」だけのせいじゃない。周囲をうかがい、居心地が悪そうで、他のクラスメートと仲良く話している気配もなく、いてもいなくてもわからない地味さ。
ようやく「不死鳥の騎士団」で中心になったかと思ったのに、最後(ヴォルデモードを倒した後)誰も駆け寄らないし!
そして誰もハリーに声をかけないし!
ネビルがヴォルデモードに向かって「自分たちはハリーの味方だ!」と啖呵を切ったにも拘らず、おかしくない?
ハリポタを見た当初は、「取り立てて取り柄もなく、自分に才能があるとは思ってもいない、少し影はあるけど根暗なわけではなく親切で、友達も必要数しかいない等身大の少年」という点は共感もできたし、世界観が大げさすぎなくて好感が持てた。
いや、だけど。だけどね?もっとハリーの才能の爆発を見たかったのは私だけ?
凄い魔法の資質がある、とずーーと言われ続けてたじゃん。
それなのに「エクスペクトパトローナム」と箒のりが上手い以外は、目立つことなかったよね?
魔法の会得数なんて、ハーマイオニーに負けてたジャン。
てかハーマイオニー最強ジャン!
ニワトコの杖を折ったラストシーンも、3人の中央に立っていたのはハーマイオニーじゃん!
魔法世界とマグルの世界を、どう魔法省が折衷しているのかも気になる。
(しかし魔法省は今回一体何してるわけ?)
ナルニアや指輪物語やネバーエンディングストーリーのようにファンタジーの世界が純然とある世界ではなく、現代生活と魔法が混然としているという、超超面白い素材を十分に生かすこともなく、魔法世界が現代生活にどういう役割をもたらしているのかもわからずに終わってしまったのは残念だ。
今回ハリーとハーマイオニーが失踪している間、学校は何をやっていたのだろう?
(余談だが、魔法学校をドロップアウトしたら、現代社会ではどう適応するのだろう。履歴書に出身校が書けないし)
それゆえ、世界は2つに分断され、ハリーらが現代イギリスに住んでいるということはあまり重要性がなく、ヴォルデモードが支配したい世界は魔法世界だけのように映り、そこだけの小さな争いに感じる。
そして逃げ回るハリーを「他のクラスの事だし~」みたいな感じでのうのうと学校生活を送る緊迫感のない生徒たち、層が厚いとはとても思えない先生たち、介入してくれない魔法省、一切登場しない他校の魔法生徒たち、すべて関係性がチグハグ。
本当に「世界の一大事」なのか?
2作目くらいまでは、なぜ闇の帝王が彼を付け狙うのかという謎を散りばめながら、魔法のスキルを学んでいく学校青春物としても面白かったのに。
きっと原作はさぞかし素晴らしいのだろう。でなければ、世界中の人がこんなに夢中になるわけがない。
そういえば家族の記憶を消したハーマイオニー、後はどうしたんだろう?
しっかりロンとはくっついていたけれど。
ラドクリフは大人になったハリー役の方がしっくりきていて、ちょっと吹いた。
最後まで暗い顔してたなぁ。
タイタンの戦い [ファンタジー]
中盤突然現れる、主人公を助けに来てくれたのかと思いきや飛び立ってしまうペガサス。
脈絡もなく現れる勇者の剣。
どことなくスター・ウォーズのタスケン・レイダーに似てたなぁ。砂漠に出てくるし…
メデューサの棲み家へ行く途中に、唐突に現れる、三途の川(と呼びたい)もスモークガンガンたいちゃって、何だかチープ。不細工な新婦隠す結婚式じゃないんだから。
ただメデューサの仕上がりには満足。
他の映画ではいつも顔も醜いんだもん。ギリシャ神話読んでから、長年メデューサに同情しちゃってる私としてはやっと美しさがお披露目されてしたり、と思ったわけよ。
次に登場する、クラーケンも秀逸。思うに、クライマックスのクラーケンvsペガサスに乗ったペルセウスvsハデスの手先を描いただけで、予算も根気も尽きちゃったのよ、この映画は。
1:30時間の超スピードで終わらしちゃったから、せっかく「人間としてのペルセウス」ストーリーとしてギリシャ神話をなぞるだけじゃなくオリジナル性を出そうとしたのに、困難な旅の様子がちぃとも伝わんなかったんだわ。
ま、本物の話ではアポロンとアテナが数々のアイテムを授けて楽に勝っちゃうから、それに比べれば汗をかいた方かw
プロミス [ファンタジー]
ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 [ファンタジー]
なんとなくスリリングな雰囲気に呑まれてあっという間だった気もするが、ヴォルデモードが復活したことを魔法省が認めるだけの話にこれだけ長い尺が必要なのか。
確かに以前より魔法バトルの描写は激しくなっているが、ホグワーツの学校生活に魔法学校らしいアイテムが減り、魔法行事のハプニングもなく、ハグリットの小屋もただのあばら小屋みたいで魅力がない。
マグルの街で起きる出来ごとも現代的すぎて、全体的に魔法のオブラートに包まれたイメージが損なわれていて、ファンタジー色が薄れている
ハーマイオニーやロンとの仲間の会話も少なく、ハリーの孤独だけが全面的に押し出されている。学生ならではの和気あいあいとした会話がいっさいなく、いつものメンバーはただいるだけ、って感じせっかく恋しても、ハリーがどんどん暗くなっていくのが気になる
いままでは重要な話に伏線が絡んで楽しかったが、もしこの映画が原作どおりだとすると相当子供たちにとってはつまらなかったのではないかと思った。