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スタント・ウーマン [ドキュメンタリー]

満足度★70点

■一人のプロとして評価してほしいと願う女性たちの奮闘

聞き手が誰なのかがわかりずらく、編集も少し雑と感じたのですが、テーマを抽出すると表題の通り「女性としてではなく、一人のプロとしての評価を」ということに尽きるのだと思います。
無声映画時代までは女優がそのままスタントも行っていたのに、「スタント」は仕事になるとわかった途端、男性の希望者が増え、女優のスタントも男性が女装して行うようになってしまったとのこと。
女性だから男性と同じ事が全てできると豪語するには、やはり筋力は足りない。
監督に「女性には危ないことはさせられない」という紳士然の人もいれば「初めから男性スタントを雇った方が楽」という人もいる。
女性が失敗すると「やっぱり女だから失敗した」と言われるが、男が失敗してもそうは言われないとバイクスタントの先駆者は言った。

全てのスタントウーマンたちはそう言われないために、必死で鍛えて技術を磨いている。
そして娯楽という映画のために、誰もが命を落としてはならないという当たり前の権利を当たり前に享受するため、「綿密にシュミレーションされていない危険なスタント」は断り、スタントに時間をかけて打ち合わせするよう求める。その視点はともすれば怪我上等、力業で事を進めようとすることに偏りがちな男性陣のスタントに、新たな視点をもたらす。多様性の重要性が伝わります。

忘れてはいけないのは、彼女たちは男性を追放したいわけでも復讐をしたいわけではなく、純粋にスタントという仕事が好きなだけ。聞き手のミシェル・ロドリゲスが「スタントの方が俳優よりアクション映画を楽しんでる」と言うが、まさに。
「女性だからではなくあなただから、仕事を頼んだと言われたい」と語ったスタントウーマンがいました。

すべて仕事を半々に、という平等さではなく、チャンスは公平にもらいたい、という時代を切り開く彼女たちの姿は清々しく胸が熱くなりました。
男女関わらず誰にとっても、性や人種によって、才能を発揮できる場が奪われないような時代がきますように。

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